神奈川工科大学(神奈川県厚木市)は、科学技術振興機構(JST)の研究プロジェクト「CRONOS」で採択された課題の一環として、CKP/IPAさくら祭り実証実験を行う。実験のうち「8K-3D映像×多チャンネル音声が実現する高臨場感通信実験」を、グランフロント大阪・ナレッジキャピタル内「The Lab.」で一般公開する。入場は無料で、事前予約は不要だ。
8K-3D映像と立体音響を用い、遠隔地間での高臨場感通信を検証する。主導するのは同大学超広帯域ネットワーク研究センターの丸山充特命教授と瀬林克啓特任教授。研究チームは、沖縄・神奈川・東京・大阪などを結ぶ100Gbps超の広帯域ネットワークを活用し、映像や音声の低遅延伝送や編集・遠隔操作の実現可能性を確認することを目的に掲げる。JSTの「広帯域インラインコンピューティングの実現」課題での取り組みの一部に位置づけられている。
複数拠点を連携し8K通信を検証
実験では、沖縄(宜野座)、神奈川工科大学、国立情報学研究所(NII)のSINET6相模原データセンター、東京(秋葉原UDX)、大阪(グランフロント大阪)を結ぶルートを使用し、広域間での8K-3D映像通信を試みる。ロボットの遠隔操作や分散リソースによる映像編集も検証対象とされ、複数拠点を同時に結ぶ通信環境を用いた技術確認が進む。
研究連携体制と実施条件
参加機関には、国立情報学研究所、琉球大学、ミハル通信株式会社が加わる。産官学連携コンソーシアムのCKP(サイバー関西プロジェクト)と、情報処理推進機構(IPA)が協力にあたる。各機関が技術提供や通信制御の一部を担う形で準備から本番まで共同で進行する構成だ。
提供は2日間に限られ、限定公開形式となる。再実施予定についての記載はない。公開対象は一般来場者で、グランフロント大阪の施設内で時間帯を分けて実施される予定だ。
これに先立ち、同大学は12月にキックオフミーティングを開催しており、学内外の研究者・学生が実証運用の分担などを検討した。複数拠点を接続する機器類の組み立てとテストは2月初旬に行われる日程が示されている。
神奈川工科大学は2018年にも国立情報学研究所や通信関連企業と連携し、札幌-大阪間で8K超高精細映像の配信実験を実施していた。今回の実証ではその成果を踏まえ、より高速なネットワーク環境を前提に遠隔操作技術も組み合わせる。
公開実験の実施にあたり、丸山教授らは、JSTによる広帯域通信基盤研究の委託対象として位置付けられる体制の中で、国内外複数拠点を結んだ実証に臨む姿勢を示している。参加機関の役割が明確化された協働体制が整備されており、当日は一般展示を通じて成果を試行的に披露する形となる。