ミドリ安全株式会社(東京都渋谷区)は、ガス防爆危険個所(ゾーン2)および粉じん爆発危険場所(ゾーン22)の両方に対応する電動ファン付き作業服「クールファンEP-LIGHT」を開発し、2026年4月末に発売する。国際整合防爆指針(IEC 60079シリーズ)に基づく型式検定を取得予定で、ガス防爆・粉じん防爆双方に対応する電動ファン付き作業服としては国内初となる見通しだ。
発表によると、同社は2024年にガス防爆エリア対応の「クールファンEP」を発売しており、今回の新製品で粉じん環境にも適用範囲を広げる。粉じん防爆(ゾーン22)とガス防爆(ゾーン2)の双方に対応し、化学・石油プラントなどに加え、粉体を扱う食品・金属・製薬分野などでの使用を想定している。熱中症防止の電動ファン付き作業服が防爆エリアで使えない制約を解消することを目的に開発された。
200万人超の粉じん環境作業者を想定
経済産業省「2024年経済構造実態調査」によると、食料品製造業約112万人、金属製品製造業約60万人、化学工業約40万人と、粉じん爆発リスクのある業種に従事する労働者は200万人を超える。ミドリ安全によれば、これらに従事する作業者も電動ファン付き作業服を使えない状況が続いていた。本製品は最大風量55L/sを実現し、ガス対応範囲をIICに拡大して水素やアセチレン環境にも対応する仕様とされた。
同社によると、バッテリー重量は従来品比49%減、充電寿命3.3倍を確保。全国の直営店や同社通販サイトで販売を予定しており、価格は2026年春に公表される見込みだ。
粉じん防爆対応を実現した背景には、電気部品への粉じん侵入を防ぐ密閉構造の設計がある。モーター部にシールベアリングを用いるほか、バッテリーにもケーブル差込口のシール化を採用する構造を取っている。
ガス防爆については、ⅡC T4の要件に準拠してゾーン2での使用を前提に軽量化を図った。ゾーン分けに応じた構造で、高出力と安全性を両立する試みだ。ゾーン1対応が必要な環境向けには、継続販売中の「クールファンEP」を併用する形を想定している。
既存シリーズと互換、導入コストを抑制
「クールファンEP-LIGHT」は、同社が展開するクールファンシリーズの全ウェアに装着が可能とされる。既存のブルゾンやベストを保有する事業者はファンセットの追加のみで防爆対応が可能になり、ウェアの買い替えを要しない仕組みをとっている。この構成により、初期投資を抑えつつ防爆対応への移行を容易にする方向性を示している。
販売形態は全国のミドリ安全直営店および「ミドリ安全.com」などの各ECモールで行う予定。数量や再販の予定については公表されていない。
ミドリ安全は1952年創業の安全衛生保護具メーカーで、安全靴や作業服、環境改善機器を製造・販売する。国内外で安全靴や作業用ユニフォームの製造拠点を持ち、労働安全に関連する装備の開発を継続している。
同社は今回の製品により、防爆エリアにおける熱中症対策分野でガス・粉じん両対応の新シリーズを展開する方針を示した。粉じんを扱う工場での安全と快適性を両立する用途が焦点となる見通しだ。