株式会社メディックス(東京都千代田区)は、クラウドセキュリティサービスを提供するHENNGE株式会社(東京都渋谷区)のデジタルマーケティング支援事例を公表した。両社は2025年3月にオンラインイベント「HENNGE ROCKET PITCH」を実施し、目標の1.3倍のリード獲得を達成した。これを受け、HENNGEはデジタル運用をメディックスに一本化した。
メディックスはBtoB企業向けのデジタルマーケティング支援に強みを持つ。同社が今回支援したHENNGEでは、従来リアルイベント中心の顧客獲得手法を展開していたが、接点を持てない顧客層へのアプローチが課題だった。メディックスによるデジタル施策の成果を受け、今後は広告運用にとどまらず、プロモーション戦略や海外展開支援などに取り組む方針だ。
オンライン施策で新規率80%達成
メディックスの主な支援内容は、HENNGEのオンラインイベントやセミナーへの集客を目的としたデジタル広告運用だ。「HENNGE ROCKET PITCH」では目標を上回る成果を挙げ、獲得したリードのうち新規顧客層が約80%を占めた。
これは従来のイベント施策では到達できなかった顧客層を取り込めたことを示している。
今後はリスティング広告をはじめとした集客施策の最適化と並行し、メディックスが蓄積してきたBtoB SaaS分野の知見をもとに、HENNGEのマーケティング活動を全体的に支援する枠組みを整える。
両社の連携は単発の代理運用にとどまらず、中長期的な伴走型モデルとして展開される見通しだ。
HENNGEの課題と支援の背景
HENNGEはこれまで年間280件を超えるイベントを実施し、イベントマーケティングを中心にリード獲得を進めてきた。しかしリアル施策に偏重した結果、オンラインチャネルでの接点が弱く、広告パフォーマンスやクリエイティブ面の最適解が把握しづらいという課題を抱えていた。
メディックスは過去20年で500社を超えるBtoB企業支援実績を有する。同社はこの経験をもとに、オンライン集客と広告効果検証を組み合わせたPDCA体制を構築し、HENNGEのデジタル施策転換を支援した。
週単位で成果を共有し、改善策を迅速に提示する運用手法が信頼につながったとされる。
デジタル転換が進むセキュリティ業界
HENNGEは3000社超の企業にクラウドセキュリティサービス「HENNGE One」を提供している。
同社は近年、SaaSソリューションとの連携拡大を積極的に進めており、経理クラウド「ivoxシリーズ」やERMツール「relate cloud」との接続を開始するなど、企業のデジタル基盤強化に貢献している。
一方でセキュリティ分野は、新規顧客獲得においてもオンライン経路の比重が高まっている。リード育成を含めた広告最適化やWeb接点の高度化が競争の鍵となる。
こうした環境変化を背景に、今回のメディックスとの連携強化はHENNGEの事業構造転換の一環と位置づけられる。
HENNGE担当者「即応と提案力に信頼」
HENNGEの担当者は、メディックスが1週間単位で成果共有と改善提案を行い、スピード感ある対応が社内でも評価されたと述べている。
同社はまた、メディックスがBtoB SaaS領域で豊富な広告運用実績を持つ点や、セキュリティ商材特有のマーケティング課題を理解していることを強調した。
HENNGE Oneの提供特性を踏まえたターゲティング設計や配信戦略が奏功し、成果の安定化に寄与したとされる。運用効率と成果精度の両立により、社内におけるマーケティング体制の統合も進展した。
メディックスは今後、HENNGEのグローバル展開を視野に、海外向け広告運用やブランドコミュニケーションの設計も支援範囲に含める方針だ。オンラインイベントを契機とした連携強化は、SaaS業界全体でデジタル施策の内製化・併走支援が広がる流れにもつながる。BtoBのリード獲得手段が多様化する中、広告戦略とデータ活用支援を両立させるメディックスの取り組みは、企業がマーケティング組織を再構築する際のモデルケースとなる可能性がある。