マツオカコーポレーション(広島県福山市)は、ASEAN地域での生産規模拡大と工場DXの推進を通じて収益力の向上を図る方針を示した。インドネシアでの新工場建設を含め、ASEAN・バングラデシュで生産キャパシティの拡大を進めるとしている。
同社はスマートファクトリー化で生産・在庫・収益の見える化を進める方針を掲げる。重点戦略では、インドネシアの新工場建設を含むASEAN・バングラデシュでの生産キャパシティ拡大を打ち出した。こうした取り組みは、新中期経営計画「BEYOND2028 ~Stitch the Future~」に基づく施策の一つとなる。
2026年3月期は増収計画
2026年3月期の通期連結業績予想は、売上高が前期比4.8%増の74,000百万円、営業利益が同476.2%増の2,500百万円、経常利益が同11.9%増の4,700百万円、当期純利益が同15.4%増の3,000百万円を見込む。独自指標の「為替差損益調整後営業利益」は、第3四半期時点で前年同期比12.5%増の3,587百万円としている。
事業は「縫製事業」と「ラミネーションフィルム事業」の2セグメントで構成する。主力の縫製事業は全社売上高の85%程度を占め、カジュアルウェアやワーキングウェア、インナーウェアなどを生産する。主要顧客にはファーストリテイリングや東レグループなどの国内大手企業が含まれる。
縫製事業では、猛暑によるワーキングウェア(ファン付きウェア等)の需要増や、バングラデシュ新工場の稼働率向上が寄与している。一方、ラミネーションフィルム事業は売上高の15%程度を占め、透湿防水機能を持つ高機能素材の加工・販売を手がけるが、前期のヒット商品の反動減や中国内需の低迷により減収減益となっている。
同社は1956年設立で、呉服店として創業後に縫製業へ転換した。1980年代から海外進出に着手し、現在は中国、バングラデシュ、ベトナム、ミャンマー、インドネシアに自社工場を展開するグローバル生産体制を構築している。
背景には、米中貿易摩擦や地政学的リスクの高まりを受けたアパレル業界の「脱中国」の動きがある。また、世界的なサステナビリティ意識の高まりにより、強制労働の排除や環境配慮などサプライチェーンの透明性が厳しく求められているという。
新中計で新工場建設も
2025年11月に策定した新中期経営計画「BEYOND2028 ~Stitch the Future~」では、最終年度の2029年3月期に売上高900億円、経常利益60億円、ROE9%以上を目標に掲げた。重点戦略として、インドネシアでの新工場建設を含むASEAN・バングラデシュでの生産キャパシティ拡大を図るとしている。
工場DXでは、スマートファクトリー化によって生産・在庫・収益を見える化し、納期短縮・安定供給・コスト削減・品質強化を実現する方針を示した。株主還元では、資本コストを意識した経営への転換を掲げ、2027年3月期の配当から配当性向35%程度を目安とする配当方針を設けるとしている。
今回の施策は、ASEAN・バングラデシュでの生産キャパシティ拡大とスマートファクトリー化を進める計画に基づく。取引面では、インドネシア新工場建設やバングラデシュ新工場の稼働率向上などが挙げられる。
