株式会社丸亀製麺(東京都渋谷区)は、「丸亀製麺 調味料五種セット」を全国の丸亀製麺店舗で数量限定販売を開始した。これまで店内利用に限られていた調味料を持ち帰り用として初めて展開する。販売は一部店舗を除き、在庫がなくなり次第終了となる。
同社が販売を決めたのは、来店客から「自宅でも楽しみたい」との要望が多く寄せられたことが背景にある。2025年8月に実施した試験販売では売り切れ店舗が出るほど反響があったことから、年末年始の贈答需要を見込み、販路を全国に広げた。店舗で使われている特製調味料を家庭にも届けることで、体験の継続を図る取り組みとなる。
年末需要見込み、全国で数量限定展開へ
セットは同社独自の「だししょうゆ」「香七味」「だしソース」「天丼たれ」「やきしお」の五種類で構成される。いずれもうどんや天ぷらに合わせて開発されたもので、一箱にまとめ専用ボックス付きで提供する。店頭では持ち運びしやすい紙袋で手渡す仕様とし、お土産や贈り物での利用も想定する。
価格は2,000円(税込)で、数量限定のため販売は在庫が終わり次第終了する。
今回の販売では全国の店舗網を活かした対応が特徴で、店舗によって販売開始・終了時期が異なる場合もあるとしている。
「粉から打つ」社内文化の延長線
丸亀製麺は「ここのうどんは、生きている。」をブランドメッセージに掲げ、国内800超の全店舗で小麦粉から毎日打ち上げる手づくりの製麺を続けている。全店に配置された麺職人が鮮度と品質を維持しており、店舗ごとの調理を重視する運営方式を取る。
今回の調味料販売は、その「店内体験」を家庭に持ち帰る形で拡張するものにあたる。
この背景には、同社を傘下に持つトリドールホールディングスの「食の感動体験を世界へ広げる」方針がある。グループ全体で国内外2,000店超を展開し、「手づくり・できたて」を重視したブランド戦略を推進中だ。丸亀製麺はその中核ブランドとして位置づけられており、店舗発の商品化は顧客接点拡大の一環となる。
店舗連携で販促も強化、グループ方針に沿う
今回の販売にあわせ、ファンコミュニティ「MochiMochiクラブ」内で調味料への感想を投稿するとデジタルバッジを贈る企画も実施している。
利用者参加型のオンライン施策は、商品販売と並行して消費者の接触機会を増やす狙いだ。
クラブ内では投稿キャンペーンを年明けまで行い、会員間での共有を促進する仕組みとした。
トリドールホールディングスは「心的資本経営」を企業運営の軸に掲げ、従業員の心の幸せと顧客の体験価値をつなげる経営モデルを推し進めている。
環境面でも、兵庫県加古川市に「丸亀製麺 桶工房」を開設し、木製桶の再利用や障がい者雇用を組み合わせた活動など、循環資源化の取り組みを進めている。
持続型経営の一環として注目
丸亀製麺では食育活動として、子ども向けに粉と水からうどんを打つ体験を提供する教室を全国で実施しており、今回の家庭用調味料販売はその延長線にも位置する。
作りたてを重んじる製麺文化を多様な形で体験できるよう設計された施策といえる。
今後の販売動向からは、外食ブランドの家庭内展開の可能性がうかがえる。
今回の動きは、丸亀製麺が掲げる「食の感動を広げる」歩みを体現する一施策と位置づけられる。