株式会社マネジメントソリューズ(東京都港区)は2月25日、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行する方針と、これに伴う取締役人事を決めた。対象は3月27日開催予定の第21回定時株主総会で、承認を得られることを条件とする。移行に伴う事業や顧客への直接的な影響は本文書では示していない。外部流出や拡散が生じた事実も記載はなく、同社は株主総会での決議に向けた手続きを進める構えだ。取締役会の監督機能強化が実現すれば、経営判断の迅速化を含むガバナンス運営の枠組みに影響を与える可能性がある。
同社は取締役会の決議として、監査等委員を取締役会の議決権を持つ構成員に位置づけることで、取締役会の監督機能を強化し、監視体制を厚くする狙いを示した。あわせて、取締役会が業務執行の決定を広く取締役に委任できる枠組みを整え、意思決定の迅速化を図るためだとする。今回の監査等委員会移行・取締役人事は、同社のコーポレート・ガバナンスの運用体制を見直す取り組みの一つに位置づく。
3月27日総会で移行決議
監査等委員会設置会社への移行時期は、3月27日開催予定の第21回定時株主総会で、必要な定款変更について承認を得た後とした。
定款の一部変更については、同日付で別途開示するとしている。監査等委員会設置会社への移行は、会社法上の機関設計の変更に当たり、取締役会の監督機能と業務執行の権限配分の見直しに直結する。
移行の目的として同社は2点を挙げた。1つは、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を、取締役会で議決権を持つ構成員とすることで、取締役会の監督機能を強める点である。もう1つは、取締役会が業務執行の決定を広く取締役へ委任できるようにし、経営の意思決定を迅速化する点だ。いずれも、監督と執行の設計を再編し、ガバナンスの充実と意思決定スピードの両立を図る考え方に沿う。
社外取締役候補を提示
移行後の役員人事として、監査等委員である取締役以外の取締役候補者4人を、3月27日の定時株主総会に付議する。候補者は、髙橋信也氏(代表取締役会長兼社長)、玉井邦昌氏(専務取締役)、赤羽具永氏(社外取締役)、田矢徹司氏(社外取締役)で、赤羽氏と田矢氏は会社法第2条第15号に規定する社外取締役候補者に当たる。
監査等委員である取締役の候補者は3人で、いずれも社外取締役として付議する。渡邉徹氏(社外取締役・常勤監査等委員、現職は常勤社外監査役)、木村稔氏(社外取締役・監査等委員、現職は社外監査役)、稲垣隆一氏(社外取締役・監査等委員、現職は社外監査役)を挙げた。3人はいずれも会社法第2条第15号に定める社外取締役候補者とした。
取締役1人が退任予定
退任予定役員は、株主総会の終結の時をもって退任する予定とした。取締役の金子啓氏が退任予定で、退任後の役職は記載していない。
あわせて、渡邉徹氏、木村稔氏、稲垣隆一氏は現職の社外監査役を退任し、監査等委員会設置会社への移行後は社外取締役(監査等委員)に就く形となる。
背景には、同社の元経営幹部職員と連結子会社の元経営幹部職員の2名が外部委託先から金員を受領していたとされる事案がある。
報道によれば、同社は2026年2月16日に公表した適時開示で、元経営幹部職員の受領が2019年9月から2025年9月頃までに約4,000万円、連結子会社の元経営幹部職員の受領が遅くとも2015年4月頃から2022年11月にかけて少なくとも300万円超と推認されるとしている。取締役会の監督機能を制度面で補強する今回の機関設計変更は、こうした不適切行為の指摘を受けた局面でのガバナンス対応としても位置づけられ得る。
外部環境では、金融庁がコーポレートガバナンス・コードの改訂案を示し、取締役会の責務の明確化や社外取締役の位置づけ強化など、制度面の見直しが進む動きがある。企業に対しては「透明・公正かつ迅速・果断な意思決定」を実現する仕組みの整備が求められる方向性が示されている。
一方で、運用面では外部委託先の選定プロセスにおける裁量の大きさや権限の集中などが不適切行為の機会となり得る点が指摘されており、需要・供給ではなく運用の単位での統制設計がリスク要因となりうる。
