M&Aキャピタルパートナーズ株式会社(東京都中央区)は、大阪府大阪市でソフト受託開発を手がける株式会社ミニコンデジタルワーク(現社名:株式会社OLDE)と、東京都千代田区のITソリューション企業である株式会社パワーソリューションズのM&Aを仲介した。両社の合意は2023年に成立した。
同社が仲介したこの取引は、後継者不在に悩む中小IT企業の事業承継を支援するもので、OLDEの経営基盤を維持しながら、パワーソリューションズのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)人材強化を目的とする。人材獲得と技術力拡充の両立を図る戦略的な組成だ。
社員17人がRPAに携わる体制に拡充
今回の統合後、OLDEではRPA関連業務に携わる社員が2名から17名へと急増した。
RPA認定資格を持つ社員もゼロから14名に増え、売上・利益ともに伸長を続けている。職場環境の整備も進み、社員の定着率や満足度が高い水準を維持しているという。
パワーソリューションズ側では、RPA分野を自社のDXソリューション強化につなげている。
中小IT企業の人材課題と合併の流れ
OLDE(旧ミニコンデジタルワーク)は、エンジニア派遣やソフトウェア開発を主力としていたが、経営者の体調不安と後継者不在により事業承継を模索していた。
一方のパワーソリューションズは、基幹システムやクラウド基盤構築を得意とするSIerで、RPA人材拡充に課題を抱えていた。両社の利害が一致し、技術と人材の補完関係が成立した形だ。
仲介を担ったM&Aキャピタルパートナーズは、中堅・中小企業の譲渡・譲受を専門とする東証プライム上場企業で、製造業からITベンチャーまで幅広い取引実績を有する。
社内の監査法人出身会計士や化学メーカー経験者によるアドバイザーチームが案件を担当し、事業承継と成長戦略を両立させる枠組みを整えたとしている。
事業承継需要の背景に中小企業の後継者難
同社が別途実施した2025年度実態調査によると、建設業を中心に7割以上の経営者が人手不足を実感しており、「単独では経営課題を解決できない」とする回答は74.6%に達した。
後継者不在や人材確保の難しさが、M&Aを成長策として活用する流れを後押ししている。人材ごと企業を買収・統合するケースも増加傾向にある。
公共投資の増加やDX対応への要請が高まる中、企業間の再編や合併は業界横断的に進行している。
特に中小IT企業では、専門人材を確保するための資本提携やグループ化が経営安定の選択肢として普及している点が注目される。
今後の注目点
M&Aキャピタルパートナーズの担当アドバイザーは、「世の中を支える中堅・中小企業の発展と継続に寄与することが使命」と述べ、製造業からITまで幅広い分野で成約実績を重ねてきたと説明している。
建設・IT双方の分野で人材不足と後継者問題が顕著な中、多様な業種で承継型M&Aの引き合いが増えているという。
OLDEとパワーソリューションズの取引は、地域に根ざしたIT企業の技術承継と雇用維持を同時に実現した事例となった。企業規模や業種を問わず、後継者不在を補完する形でM&Aを活用する動きが広がっており、今後は中小IT業界でもこうした再編の動向が注視される。