共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティング(東京都渋谷区)は、WELLBEING ACTION実行委員会が主催する「WELLBEING AWARDS 2026」モノ・サービス部門で、ウェルビーイング発想のマーケティング指標「TOTONOID(ととのい度)」がGOLDを受賞したと発表した。10日に開かれた最終審査(決勝プレゼン)・授賞式に参加した。企業や自治体の施策設計に向け、指標を用いた定点観測の活用が論点になりそうだ。
受賞したTOTONOIDは、Ponta会員約13万人規模の調査パネルを活用し、主観的ウェルビーイングを「ととのい度」という独自指標として可視化するサービスだ。ポジティブ・ネガティブ要因を細分化して把握し、Ponta会員データと掛け合わせることで、地域や年代などの切り口でウェルビーイングを定点観測できる点が評価された。ロイヤリティ マーケティングはTOTONOIDの提供を通じ、企業や自治体などとともにウェルビーイングを起点としたサービスづくり・まちづくりを推進する方針だ。
Ponta会員13万人で指標化
TOTONOIDはPonta会員13万人規模の調査パネルを基盤とし、毎月1万人規模のアンケートを実施している。調査で聴取した全72項目の集計データをダッシュボードや資料として提供し、性年代・居住地・年収・性格など多様な切り口で「ととのい度」を把握できる形をとる。ダッシュボードは毎月更新し、継続的な比較ができるデータ設計を前面に出す。
ロイヤリティ マーケティングは2025年7月に、Pontaリサーチを活用して「TOTONOID(ととのい度)」のサービス提供を開始した。提供領域は「知る」「探る」「届ける」の3段階で構成し、追加アンケートによる分析や特定領域の深掘り、プロモーション支援までを含む設計とした。WELLBEING AWARDS 2026では、Ponta会員データとの掛け合わせによる定点観測の切り口が評価につながった。
WELLBEING AWARDSを主催するWELLBEING ACTION実行委員会は、朝日新聞社を中心に構成される。応募事例が100件超にのぼる回もある中、モノ・サービス部門で指標型サービスがGOLDを獲得した。
協業前提の運用設計
「知る」では、Ponta会員への調査で聴取した集計データを、ダッシュボードや資料として提供する。「探る」では、基本設問に加え、個別目的に応じた追加アンケートを実施し、特定商品の購買など任意の条件で「ととのい度」を分析できる設計とした。「届ける」では、継続的に聴取するアンケート結果を基に、1億人超のPonta会員それぞれの「ととのい度」を拡大推計し、要望に沿ったターゲティングから郵送DMやPontaアプリなどのオウンドメディア、外部メディアでのプロモーションまで一気通貫で支援する。
運用面では、Pontaリサーチの調査パネルを土台に、毎月のアンケートで同一テーマを継続的に聴取する形をとる。企業や自治体が活用する局面では、基本設問の集計データの参照に加え、個別目的に応じた追加アンケートを組み合わせる。さらに、アンケート結果を基にした拡大推計を通じ、Ponta会員基盤へ届ける工程までを同一の枠組みに含めた。
ロイヤリティ マーケティングは企業理念に「無駄のない消費社会構築に貢献する」を掲げ、2024年度にサステナビリティの注力テーマとして「データを活用した企業活動の無駄の削減」「パートナーシップによる環境負荷削減への貢献」「人と社会のウェルビーイング」を策定している。今回の受賞は、このうち「人と社会のウェルビーイング」に関わる取り組みの一環と位置づける。
外部環境では、厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2024年)で主観的健康度や幸福感に関する設問が継続的に設けられ、ストレス要因では「仕事」「経済」が上位に挙がる。政府は「健康日本21(第三次)」で主観的幸福度指標の活用方針を示し、内閣府の「令和6年版高齢社会白書」では幸福度の地域差や定点観測データの活用に関する提言が示されている。民間調査では、2025年の国内ウェルビーイング市場規模を1.2兆円(前年比15%増)と見込み、このうちマーケティング指標領域を300億円規模と推計する。共通ポイント各社でも、CCCマーケティングが2024年に「T-ウェルビーイング調査」を開始し、NTTドコモが2025年に「dウェルビーイングスコア」を開発するなど、会員基盤データと主観指標を組み合わせる動きが広がっている。
ロイヤリティ マーケティングは、TOTONOIDを通じて企業や自治体と連携し、定点観測の設計から追加アンケートの実施範囲、推計結果を用いた届け方までを一連の流れとして提供する構えだ。協業時には、どの工程を採用し、ウェルビーイングを起点とする商品・サービス開発やまちづくりにどう結び付けるかが実務上の焦点となる。
