Lime株式会社(東京都港区)は、日本国内で提供する電動モビリティの車両構成を、座って乗れる電動モビリティ「Limeラクモ」に一本化した。首都圏エリアでは移行を完了しており、沖縄エリア(那覇市・石垣市)でも2026年春中の移行完了を予定する。車両タイプの統一により、安全教育や利用案内の分かりやすさと、運用・保守体制の最適化につなげる狙いだ。
車両一本化は、利用実態の分析を踏まえた判断だ。Limeは国内で「Limeラクモ」と立ち乗りタイプを併用してきたが、単一車種に改めた。座って乗れる安定感や安心感に加え、買い物時などに荷物を載せられるかご付き仕様といった日常生活に即した設計を特徴とし、利用データや利用者の声に基づいてサービス設計と車両配置を見直す取り組みの一環とする。
Limeラクモへ統一
首都圏エリアでは「Limeラクモ」への移行を完了している。沖縄エリアでは那覇市と石垣市で順次切り替えを進め、2026年春中の完全移行を予定する。国内で併用してきた車両構成を単一車種にすることで、利用者が接する車両のタイプを揃え、安全教育や利用案内をより分かりやすくする方針だ。
利用者層では、日常の移動手段としての利用が広がっている。Limeは電動モビリティを公共交通を補完する移動手段として提供してきた経緯があり、今回の一本化は、利用実態の分析に基づく運用の組み替えと位置付く。運用・保守面でも車種を揃えることで、点検や整備、現場オペレーションを含む運用体制の最適化につなげる。
安全設計では、公共空間で提供するサービスとしてシステム側でリスクを低減する考え方を重視する。GPSなどの位置情報を活用したジオフェンシングによる走行制御を中核に据え、危険性の高いエリアや進入が望ましくない場所では、利用者の操作を待たずにシステム側で制御を行う設計思想を採用する。イベント時の交通規制への対応にも活用している。
沖縄で春中移行、ジオフェンシングが中核運用
Limeの国内サービスは2024年8月に始まり、電動モビリティシェアリングサービスを展開してきた。安全面では、2024年9月に三井住友海上と安全な電動マイクロモビリティ普及に向けた協業を進めるなど、制度対応や啓発とあわせた取り組みを重ねてきた。2025年6月には「ヘルメットの日」に合わせ、警視庁イベントへの協力や日本航空との連携試乗会も実施した。
ジオフェンシングの運用は首都圏でも拡大している。2025年12月には警視庁と首都高速道路株式会社の協力のもと、首都高都内39カ所にジオフェンシングを導入し、誤進入防止の強化を打ち出した。夜間の安全対策として、同月に23時〜翌5時の専門スタッフによるパトロールを実施した事例もある。こうした運用の蓄積と並行し、沖縄エリアでは那覇市・石垣市で「Limeラクモ」への切り替えを進め、完全移行の時期を2026年春中としている。
背景には、公的機関を含めたマイクロモビリティの制度・環境整備が進んできたことがある。国土交通省は2024年に「マイクロモビリティ推進に向けた道路交通環境の整備」を掲げ、都市部での公共交通の補完とあわせた道路交通環境の整備を進めている。警察庁の交通事故統計(2025年上期)では、電動キックボードの事故件数が前年同期比で減少した一方、立ち乗りでの転倒が多い点も整理されている。こうした環境下で、事業者側では走行制御などシステム面の安全設計と、車両特性を踏まえた運用が焦点になっている。
運用面では、GPSなどの位置情報を活用するジオフェンシングが中核となる。危険性の高いエリアや進入が望ましくない場所で、利用者の操作を待たずにシステム側で制御を行う設計思想を採用し、イベント時の交通規制対応にも活用している。首都高都内39カ所への導入など、特定エリアでの誤進入防止を強化してきた経緯もあり、エリアごとの走行制御を組み込んだ運用を進める。
