子ども向けスポーツスクールの運営や部活動地域展開支援などを行うリーフラス株式会社(東京都渋谷区)は、学校法人三幸学園と次世代スポーツビジネス人材育成に関する包括連携協定を締結する。スポーツ指導者不足や部活動の地域移行に伴う運営人材不足への対応を念頭に、教育機関と現場を直接結ぶ受け皿づくりを進める。
協定は、両者がそれぞれの資源を掛け合わせ、学生に実際のスポーツビジネス・指導現場での実践経験を提供する枠組みとなる。リーフラスは自社が運営する施設をインターンシップ実習の場として開放し、地域共同事業の企画・運営にも学生が参画できるようにする。三幸学園は学内施設を活用し、リーフラスのスポーツスクールを開催して学生の指導経験の機会につなげる考えだ。
会員約70,000名を基盤
協定の締結者は、リーフラス代表取締役の伊藤清隆氏と、三幸学園理事長の鳥居敏氏。リーフラスは子ども向けスポーツスクールの会員約70,000名を基盤に、指導現場と運営オペレーションの蓄積を生かして学生の実習機会を設計する。
同社は子ども向けスポーツスクールの運営に加え、部活動支援、ヘルスケア、地域共動事業などを展開してきた。今回の協定は、国が推進する「部活動の地域移行」を巡り、教員の負担軽減が進む一方で、地域の受け皿となる質の高いスポーツ指導者や運営人材の不足が課題となるなかでの動きだ。
部活動支援の領域では、福岡県糟屋郡志免町から「志免町中学校部活動地域展開等運営業務」を受託し、2026年4月から指導を実施する予定だ。東京都渋谷区の公立中学校2校では運動部10種目を対象に、運営・マネジメント人材および専門指導員の配置業務を手がけ、北海道紋別市でも地域クラブ運営業務を受託した実績がある。自治体・学校現場でのこうした運用経験が、学生に提供する実習の具体像と結びつきやすい。
三幸学園は全国で専門学校、大学、短期大学、高等学校、および保育施設等を運営する総合教育法人グループで、スポーツを含む多分野で実践的な教育を通じた人材育成を掲げる。教育機関が持つ学内施設と、民間事業者が持つ現場運営機能を接続し、スポーツ業界の発展と地域社会への貢献を目指す産学連携プロジェクトとなる。
部活動の地域移行を巡っては、競技指導の担い手に加えて、日程調整、会場確保、連絡体制、保護者対応などを含む運営機能の確保が論点となっている。リーフラスは自治体からの運営業務受託を通じて学校外での運営体制を組成してきた。教員の働き方改革と部活動の継続を両立させる局面で、現場に入る人材だけでなく、実務を遂行できる運営人材の育成ニーズが高まっている。
学生実習と共同運営
連携内容は、リーフラスが運営する施設でのインターンシップ実習や地域共同事業への参画に加え、三幸学園の施設内でリーフラスのスポーツスクールを共同運営する形をとる。学生は、現場直結の実習を通じて指導経験を積むとともに、地域共同事業の企画・運営にも直接関与することになる。
また、オープンキャンパスへのリーフラスからのゲスト派遣など、広報や採用活動での相互連携も盛り込む。教育課程の中に実務の接点を埋め込み、学生側の学びと現場側の人材受け入れを同時に設計する構想だ。
リーフラスは2026年4月1日付で日本スポーツ協会(JSPO)とオフィシャルパートナー契約を締結し、協賛カテゴリーを「CSR」として国民スポーツ推進事業での協働に参画する。中央競技団体や統括団体との連携実績を持つことは、自治体や学校現場との接点形成にも影響し、今回の産学連携による実習機会づくりにも相乗効果をもたらすとみられる。
部活動移行の担い手
自治体が外部事業者に運営機能を委ね、指導者配置とマネジメントを一体で設計する動きも広がりつつある。リーフラスの志免町での受託では、契約期間が2026年2月2日〜2027年3月31日とされ、学校現場の暦に沿って2026年4月から運用を立ち上げる。こうした案件は、学生実習の参加時期や受け入れ枠の設計にも影響しうる。
競合環境の観点では、部活動の地域移行に向けた受け皿づくりは、指導者の確保にとどまらず、複数校・複数種目を束ねる運営設計が求められやすい分野とされる。リーフラスは渋谷区の公立中学校2校で運動部10種目の運営・マネジメント人材と専門指導員を配置した実績を持ち、こうした運営機能を学生の実習機会に結びつけることで、単純な指導補助とは異なる人材像を提示しようとしている。
取引管理や法人営業の面では、学生が関与する地域共同事業の企画・運営が、リーフラスの受託事業ごとに異なる形態を取る可能性があり、参画条件や窓口の明確化も課題となる。両者は、インターンシップ実習や学内施設でのスポーツスクール開催を柱とする枠組みを通じて、次世代スポーツビジネス人材育成に向けた連携を本格化させる。
