株式会社ラック(東京都千代田区)は、セキュリティとAIをテーマにした自社主催のカンファレンス「LAC Security & AI Day 2026」を2026年1月27日に開催する。一般参加の受付は既に開始している。会場は東京・紀尾井カンファレンスで、オンサイトとオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で実施する。定員は会場で約300名、オンラインは制限なしとしている。
同社は、AI技術の普及で急増する新たなサイバー脅威に対応するため、国内外の専門家と最新動向を共有する場を設ける。基調講演やパネルディスカッションを通じ、AI時代における攻めと守りの戦略を多角的に整理するのが狙いだ。経営層と技術者がともに議論することで、組織全体のセキュリティ意識向上に資する場と位置づけている。
専門家が登壇 AIがもたらす脅威と防御を議論
イベントは午前10時から午後8時まで行われ、内閣官房や大学研究者、企業の専門家が登壇する。ラックの村山敏一社長をはじめ、国家サイバー統括室の中溝和孝内閣審議官、明治大学名誉教授の高木友博氏らが基調講演を行う。
午後の特別講演では、国土交通省の最高情報セキュリティアドバイザー北尾辰也氏や金融機関幹部が、実践的な事例を交えてパネル討論を行う予定だ。
2トラック制で実施する講演では、ランサムウェアの実践対応やAIによる防御自動化、コグニティブセキュリティなど多岐にわたるテーマを扱う。
経営層がリスクマネジメントを主導する上での教育の在り方や、脅威インテリジェンスを活用した先制型防御など、企業が直面する課題解決のための最新手法を紹介する。
終了後には業界関係者との交流会も設けられ、情報交換の機会を提供する。
サイバー攻撃多様化で対応急ぐ AI時代の課題共有
ラックによると、AIによるサイバー攻撃の自動化や偽情報の拡散など、従来の防御網を超える新たな脅威が増えている。企業や自治体では、サプライチェーン経由の侵入や業務停止リスクが顕在化しており、特定の部署だけでは対処しきれない状況が目立つ。
同社は自社内にセキュリティ監視拠点「JSOC」やサイバー救急センターを有し、脅威検知から復旧支援までを行ってきた経験を生かし、AI活用時代の実践知を広く共有する考えだ。
同社はまた、2025年12月にアカマイ・テクノロジーズ合同会社と連携し、国内企業で初めて「Guardicore認定ソリューションパートナー(GcSP)」資格を取得している。
社内に蓄積した知見を踏まえ、今後はマイクロセグメンテーション技術を活用したゼロトラスト運用を国内企業に展開し、ネットワーク内部の侵入検知・抑止を強化する方針を示している。
この取得は、グローバルな連携強化と実務的技術支援の体制整備を推し進める動きの一環だ。
国内セキュリティ産業の発展を後押し
ラックは1995年に日本初の情報セキュリティサービスを開始して以降、金融、製造を中心に基幹システムの安全確保に取り組んできた。AIやクラウド、DX対応などを含む技術支援を通じ、政府・企業を問わず幅広い顧客層に対してシステム運用強化を支援している。
今回のイベントはこうした実績を基盤に、国内産業の防御力を底上げする目的を持つ。官民の対話を促進することで、セキュリティ産業の裾野拡大にも寄与するとみられる。
サイバーセキュリティをめぐる環境は、生成AIなど新技術の発展により急速に変化している。
企業には攻撃発生を前提としたリスク管理体制の構築が求められるなか、実務者同士の横断的な情報交換が今後の防御力強化に直結するとの見方が強い。
業界関係者の間では、「AIを適応的に活用しながらも人が制御するガバナンス体制をどう確立するか」が焦点となりつつある。
継続的な技術共有体制を形成へ
今回のカンファレンス開催により、ラックはAIとセキュリティ領域での知見交換を定期化する基盤の構築を目指す。
2025年の初回開催に続き、専門家や企業が政策・技術の両面から課題を共有する恒例企画へ発展させる構想も示された。
国内セキュリティ業界では、生成AI活用法やサプライチェーン防御策を扱う場が増えつつあり、ラックの取り組みはこうした流れの中で一層の連携強化につながる動きと位置づけられる。