京都産業大学(京都市北区/学長:在間敬子)は、熊本県山鹿市との包括連携協定に基づく取り組みとして、山鹿市が運営する山鹿温泉「さくらの湯」を拠点に、市民参加型の健康づくりに関する実証研究事業を16日から20日に実施した。温泉入浴や生活習慣と心身の健康状態の関連を、身体測定やアンケートなどで検証する。
実証研究では、温泉入浴や日常の生活習慣が心身の健康状態にどのような影響を与えるのかを、簡易的な身体測定やアンケートなどによって検証した。京都産業大学は生命科学分野の知見を有する加藤啓子教授が参画し、山鹿温泉「さくらの湯」を拠点に研究を進めた。地域資源を生かした新たな健康増進モデルの構築を目指す。
40歳以上でデータ収集
実証研究は山鹿市民交流センターなどで行い、対象は40歳以上の山鹿市民等とした。調査は参加者の自由意思に基づき、個人情報保護に配慮して実施した。
調査内容は、採尿・採便による試料提供、握力・歩行速度などの簡易的身体測定、生活習慣に関するアンケート(5〜10分程度)とした。参加者からは「健康状態を見直す良い機会になった」「温泉の効果を客観的に知りたいと思っていた」といった声が寄せられた。収集したデータは、個人が特定されない形で統計的に整理・分析され、山鹿市の健康施策と京都産業大学におけるヘルスサイエンス研究の発展に活用される。
京都産業大学は学祖・荒木俊馬の生誕地である熊本県山鹿市と2014年に包括連携協定を締結し、教育交流を積み重ねてきた。今回、研究分野での協働として、山鹿温泉「さくらの湯」を含む地域資源を活用した実証研究事業に踏み出した。
山鹿市は「健幸都市宣言」を掲げ、市民の健康増進をまちづくりの柱に据えている。京都産業大学側は研究実施に合わせ、山鹿市長の早田順一と意見交換も行った。熊本県内では自治体と大学・企業による包括連携協定の締結が相次ぎ、県も脱炭素や渋滞対策などの分野で官民連携の枠組みを広げてきた経緯がある。山鹿市近隣でも、大学と自治体の包括連携協定を通じて地域資源を生かした取り組みが進んでいる。
協力企業が機器提供
研究には京都産業大学の加藤啓子教授が参画し、参加者が握力・歩行速度などの身体測定データ、生活習慣に関するアンケート回答、採尿・採便試料などを提供した。拠点は山鹿温泉「さくらの湯」とし、市民参加型でデータを集める運用を採用した。測定機器はアークレイマーケティング、インボディ・ジャパンの両社が提供した。
収集したデータは匿名化したうえで統計的に処理し、山鹿市の健康づくり施策の具体化や見直し、京都産業大学における温泉・ヘルスサイエンス分野の研究高度化に生かす。大学の研究知見と自治体が運営する温泉施設、市民からのデータ提供を組み合わせ、地域の健康課題を科学的に検証する枠組みを示した形だ。
