共立女子大学・共立女子短期大学(東京都千代田区)は、2027年4月に建築・デザイン学部で「コクリエイトコース」を開設する構想を示した。開設後は「建築コース」「デザインコース」「コクリエイトコース」の3コース体制とし、入学定員を100名から150名へ拡充する予定だ。まちづくりや商品企画を「共に創造(Co-create)」する学びを打ち出し、共創型デザイン人材の育成を強化する。
コクリエイトコースは、従来の「建築」「デザイン」の専門性を基盤にしつつ、分野や立場の異なる人々と協働しながら社会や暮らしの課題に向き合い、新たな価値を生み出す力を育てる実践的なコースとする考えだ。「地域デザイン分野」と「企画プロデュース分野」での学びを掲げ、プロジェクト型授業を中心に対話と協働を重ねながら「企画力」と「表現技術」を統合し、まちづくり、地域コミュニティ、商品、イベントなどの「空間」「モノ」「情報」にまつわる企画デザインを学ぶとしている。建築・デザイン学部の教育展開を3コースに広げる動きの一環となる。
定員100名から150名
入学定員は現行の100名から150名へ拡充する予定で、コクリエイトコース開設および入学定員の増加は認可申請中とされる。大学側は2026年3月12日更新の学内ニュースで、企業、地域、自治体など多様な主体との連携を前提に、2027年4月からの新コースと定員拡充の構想を初めて公表した。
学部の現行体制は建築コースとデザインコースの2コースで、2023年度に建築・デザイン学部を開設した。これに先立ち、2007年度に家政学部へ建築・デザイン学科を設置しており、約20年間にわたり生活者や美術の視点から「空間」や「モノ」などを総合的に捉え、創造的に提案・実践できる人材を輩出してきたとしている。今回の3コース化は、こうした蓄積の上に協働を軸とする学びを重ねる再編となる。
コクリエイトコースは、1年次に建築・デザインの基礎を全コース共通で学び、2年次に地域デザイン分野または企画プロデュース分野へ所属する構成だ。フィールドワークやクライアントとの対話を通して課題を見いだし、解決策を創造するプロセスを重視する点を特徴に掲げる。
3コース体制では、建築コースを「人にとって心地よく美しい建築や空間をデザインするコース」と位置づけ、「建築分野」と「インテリア分野」の2分野構成で、設計から施工、監理まで一連のプロセスを学ぶとしている。デザインコースは「愛着を感じる美しいプロダクト、グラフィックをデザインするコース」とし、「グラフィック分野」と「プロダクト分野」を通して使い手と作り手の視点を合わせ持つデザインを学ぶ構成だ。コクリエイトコースも2分野制とし、対話と協働を重ねるプロジェクト型授業を中心に据える方針を示した。
共立女子大学・共立女子短期大学は同時期に、看護学部への助産師養成課程導入も構想中とし、女性のライフサイクルに寄り添った教育強化を打ち出している。建築・デザイン分野の教育拡張も含め、複数領域にまたがる人材育成の拡充を並行して進める姿勢を示した。
外部環境では、国土交通省が2026年に「まちづくり人材育成指針」を改定し、大学との協働プロジェクトを奨励する方向性を打ち出している。文部科学省の統計によると、2025年度の私立大学におけるデザイン・建築系学部の志願倍率平均は1.8倍で、教育内容の設計が募集動向にも影響しうる領域となっている。経済産業省の調査では、デザイン業界の市場規模は2025年に約5兆円と見込まれ、商品やイベントなど企画領域を含む設計・表現の担い手を巡る動きが産業面でも広がっている。
クライアント対話を柱
コクリエイトコースは、クライアントとの対話を含む学びを柱に据え、フィールドワークやプロジェクト型授業を展開する方針だ。学外連携を前提とする授業運営を進めることで、企業や自治体などとの協働を通じて実務に近い課題解決型教育を行う狙いがうかがえる。定員変更と新コースの開設はいずれも認可申請中で、構想段階から具体的なプロジェクト設計を詰める局面にある。
教育運営の面では、1年次に全コース共通で基礎を学び、2年次から分野に所属する流れを採る。建築コースとデザインコースは、それぞれ2分野構成で専門領域を掘り下げ、コクリエイトコースは「地域デザイン分野」と「企画プロデュース分野」で協働型のプロジェクト学習を進める設計とした。
学外連携を伴う授業運営では、協働相手の業種や関わり方、プロジェクトの規模や期間などが実務面での焦点になるとみられる。法人側では、学生との対話や課題設定に関わる際の窓口や情報提供の範囲を授業設計に沿って整理することが求められ、共立女子大学・共立女子短期大学は3コース体制への移行を通じて、学内外を横断する教育展開を広げる構えだ。
