株式会社共立メンテナンス(東京都千代田区)は2023年6月13日に、第44回定時株主総会を同月28日に東京都中央区日本橋のベルサール東京日本橋で開催すると発表した。議案は剰余金処分、取締役14名および監査等委員である取締役3名の選任、補欠の監査等委員である取締役1名の選任の4件である。同社によると、今期は業績が想定を上回る増益となり、株主への利益還元を強化する方針だという。
観光需要の回復を背景に、共立メンテナンスは期末配当の引き上げを決定した。2022年度(2022年4月〜2023年3月期)はドーミーインなどホテル・寮運営事業の収益が改善し、連結業績予想を上回る増益を確保した。これを受け、配当方針に基づき、期末配当案を1株当たり12円、年間22円(前期比2円増)とした。同社は、業績連動・収益対応型の配当政策を掲げ、安定的な株主還元と内部留保の両立を図る狙いがある。
期末配当12円へ 業績好調で安定還元継続
第1号議案として、剰余金処分により普通株1株当たり12円の期末配当を提案する。中間配当金を含めた年間配当は22円となり、前年同期比で2円の増配(約10%増)となる。配当総額は4億6,800万円余で、2023年6月29日に効力が生じる見通しだ。同社は収益動向に応じて配当を柔軟に設定する業績連動・収益対応型配当の基本方針を掲げており、今期は観光支援策による宿泊需要の急回復などが増配判断につながった。観光需要の再拡大に合わせ、柔軟な設備投資や新規事業展開に備える内部留保も維持する構えを示した。
取締役14人選任へ 人事部門長武者氏が新任
第2号議案として、監査等委員でない取締役14名の選任を審議する。現任全員の任期が満了するため、再任13名と新任1名の体制となる。新任の武者隆之氏(現本部長、人事総務統括)はグループ人事再編や労務体制の強化実績がある。再任候補には創業者の石塚晴久会長や中村幸治社長ら主要幹部も含まれる。指名・監査両委の審議を経て異議はない。
社外取締役再任へ 専門知見活かし経営監督強化
第3号議案では、監査等委員を務める取締役3名を選任する。社外取締役には久保成人東武トップツアーズ会長(元観光庁長官)と平田恭信東京逓信病院名誉院長などが就く。観光行政および医療衛生の分野で助言実績があり、両氏の独立性を保つことで経営監督機能の強化が期待される。補欠監査等委員の兼務候補を第4号議案として備える。
電子化進む総会運営 Web公開で利便性向上
今回の招集は法改正に基づく電子提供措置を採用し、資料をネット公開する。株主は同社のホームページや東証サービスで閲覧でき、書面交付を請求しなくても概要冊子が送付される。議決権の行使はネット・書面・出席の三方式を併用できる(重複登録時は最終ネット受付が有効)。証券コードは9616で、期限は6月27日午後5時30分まで。
好調な業績受け経営陣刷新へ
同社の事業はホテル・寮・高齢者施設の全般で順調に推移し、ドーミーインをはじめ稼働率は急速に伸びた。旅行支援の追風を受け、前期を上回る利益を確保し、資金余力は高まっている。このため今回の方針判断の背景となった。一方、コスト高のリスクは残り、効率改善の課題も浮上している。
観光需要回復追い体制深化へ
観光需要回復の流れの中、同社も海外展開を含む拡張を模索している。今回の総会はコーポレートガバナンスの多様性を維持する方針で、陣容を固めた。業界内では柔軟な対応力が試される段階との声がある。
中長期戦略の改定が焦点に
総会後は業績改善を背景に戦略の見直しを進展させる見込みだ。都心開発案件の拡大が加速する一方、労働者の確保など内部課題の解決も喫緊には必要である。本総会は宿泊複合市場の構造転換を踏まえ、安定経営と投資の両輪を模索する節目となる。