カスタマークラウド株式会社(東京都渋谷区)は、実在の出演者と連動したAIアバター制作を新たな事業として立ち上げ、サービスの提供を始めた。自社運営の生成AIサービス「AI Dreams Factory」を活用し、出演者を起点にキャンペーン化や事業化を行う点が特徴となる。今回の発表は、同社が展開する令和の虎の事業再生版との連動企画として実施された。
同社は、AI Dreams Factoryが提供するAIアバター生成サービス「AI Avatar GEN」を用いて、企業のマーケティング、プロモーション、広報、イベント施策などに利用できるAIアバターを制作する。短期間での生成が可能なことや、動画・SNSコンテンツとの親和性を高める仕組みを持つことが目的だ。カスタマークラウドにとって、今回の事業は法人向けAI活用領域の拡充に向けた取り組みと位置づけられている。
法人向けで提供体制を強化
本サービスは、法人を中心とした提供体制で進められる見通しだ。企業顧客による広報活動やオンラインイベントでの利用が想定されており、AIアバターを活用したデジタルコミュニケーション支援を目的にしている。既に複数の経済メディアから問い合わせがあり、社会的関心の高まりがうかがえる。
事業の基盤となるAI Dreams Factoryは、生成AIアプリを大量に生産するエコシステムとして機能し、日米中の開発者や企業と連携している。AIアバター事業は、こうした国際連携の中で構築された技術を実務に応用する形となっている。
渋谷発のAI産業基盤づくり
カスタマークラウドは渋谷を拠点に、AI生産工場「AI Dreams Factory」やグローバルAIコミュニティとの連携を強化してきた。BytePlus、TRAE、WaytoAGIなどとの国際協力を通じ、AIアバターを含む新たなデジタル表現領域での開発環境を整備している。これにより、AI技術者やクリエイターが集う「Global Video Hackathon 2025」などの国際イベントの運営も進めている。
背景には、同社が掲げる「第2のビットバレー構想」がある。AIを基盤とした産業の再集積を目的に、AIクラウド、メディア事業、スタートアップ支援の3分野を横断的に組み合わせ、日本のAI競争力を再構築する方向性を示している。
同社のAIアバター制作では、自社開発の生成AI技術を活用する形をとる。販売や活用の対象は法人顧客を中心としており、制作の主体はカスタマークラウド自身であり、外部企業との委託や製造分担などに関する詳細は示されていない。同社は、法人における広報・イベント分野でのAIアバター導入を中心に運用体制を整えており、AI Dreams Factoryを活用した自社主導の供給形式を採る形をとっている。
また、このプロジェクトは単発のキャンペーンではなく、法人向けAIアバター制作を正式な事業領域として扱うことを予定している。今後の具体的な再販やシリーズ展開については明らかにされていない。