株式会社キシヤ(福岡市東区)は、宮崎県えびの市湯田の丸善グループえびの産業団地物流センター内に「南九州物流センター」を開設し、10月15日に業務を開始する。南九州の顧客に対し、これまで以上に迅速な物流対応を図ることを目的とする。同センターの電話番号は0984‐32‐0048、FAXは0984‐32‐0049。
同社は医療機器販売やSPD事業を主軸とする総合医療機器商社で、九州全域に拠点を持つ。今回の新拠点は、南九州エリアにおけるサービス向上や事業拡充を念頭に置いた動きと位置づけられている。えびの市は九州自動車道えびのインターチェンジから約500メートルの距離にあり、鹿児島・熊本・宮崎の県境に位置する交通の要衝であることから、医療機器や関連資材の供給効率化を図る狙いがある。
えびの産業団地で業務開始
物流センターの所在地である「えびのインター産業団地」は、全体計画17.3ヘクタールのうち造成済面積6.09ヘクタールを分譲対象として整備されている。九州自動車道など複数の高速道路が交差する地勢を生かし、南九州の各都市へのアクセスに優れる。周辺には食品加工や運輸関連の企業が立地しており、丸善グループを中心とした物流集積エリアとして活用が進む。
キシヤは同団地内に拠点を置くことで、医療機関向けのSPD物流を支える地域供給拠点を構築した形だ。業務開始日は10月15日で、開設時点での再販や追加施設の予定については明示されていない。
地域協力と人材支援体制
えびの市は地元雇用促進を目的に、工場や物流施設進出企業に対する助成制度を整備している。土地取得や建設費の補助、固定資産税に相当する奨励金、雇用助成金など複数の支援策が設けられており、人材確保への側面支援も行われている。キシヤも市の支援を受け、人材面での安定稼働につながった経緯がある。
背景には、2024年問題をはじめ物流業界全体の持続可能性への意識の高まりがある。えびの市では、交通アクセスと災害リスクの低さを踏まえた企業誘致を進めており、南九州物流の拠点形成を後押ししてきた。
南九州物流センターは丸善グループの施設内に位置しており、同グループの施設整備と調和する形で稼働する。キシヤが物流運営を担い、施設全体の一部機能を利用する体制だとされている。供給対象は九州南部の顧客を中心とし、常設拠点として運用する形をとっている。
キシヤは医療材料や機器のSPD物流などを通じ、地域医療支援を事業の柱に据えている。今回の動きもその延長線上にあり、地元行政の産業集積施策に沿うものだとみられる。
今回の物流センター開設により、同社の九州内ネットワークが九州南部まで及ぶ構成となった。これを踏まえ、南九州エリアでの流通体制の運用や地域医療機関向けの安定供給が注目点となる。新拠点は、同社による九州全域の医療物流網整備の一環と位置づけられる。