株式会社キシヤ(福岡県福岡市)は、宮崎県えびの市に南九州物流センターを新設し、10月15日に業務を開始する。新拠点は丸善グループのえびの産業団地物流センター内にあり、南九州エリアの医療機関向けの物流対応をこれまで以上に迅速化する体制を整える。所在地はえびの市湯田字水洗146番1号で、業務開始に合わせ物流網の運用を始める。
新センターの設置は、南九州地域の医療機器流通の効率化とサービス水準の安定維持を図る取り組みの一環だ。キシヤは九州全域で医療機器や医療材料を扱う総合商社で、地域に密着した物流体制の再構築を進めている。これまで福岡、長崎、宮崎に物流センターを置いてきたが、今回の拠点で九州南部のカバーエリア拡充を進める。
えびの市で物流拠点稼働へ
えびの市のえびのインター産業団地は、九州自動車道えびのインターチェンジから約500メートルの位置にあり、宮崎・鹿児島・熊本を結ぶ交通結節点にある。構内には製造業や運輸業など複数の企業が立地しており、物流拠点に適した環境を備える。キシヤはこの地の立地条件を評価し、医療機器配送の効率化を目指して新センターを構築した。市からの人材確保支援を受け、安定した稼働につながったとしている。
南九州物流センターは、丸善グループえびの産業団地物流センター内で運用される形をとる。地域の物流企業や荷主企業と連携し、えびの市を南九州物流のハブとして位置づける動きが進む中で、同社も地域医療の支援を担う拠点として活用する方針を示している。
宮崎・鹿児島・熊本を結ぶ交通軸を活用
えびの市は九州自動車道と宮崎自動車道が交差する地に位置し、南九州各都市への配送に適している。市は企業立地支援策を整備しており、土地取得費や建設費補助に加えて雇用対策助成金などを設けて地元雇用を促進している。立地企業には物流会社のほか、食品加工・製造業などもあり、広域物流の拠点としての整備が進む。
背景には、2024年から適用が始まったトラックドライバーの時間外労働上限規制に伴い、物流の効率化が求められている状況がある。えびの市内の産業団地ではこの動向に合わせ、県内外からの拠点集積が進行している。
供給体制と運用の分担
運用形態としては常設の拠点であり、南九州の顧客向けに出荷体制を整える形をとる。施設内の物流機能は丸善グループえびの産業団地物流センターのインフラを利用し、キシヤが医療機器供給の実務を担う構成だ。既存の物流ネットワークを拡充する動きと位置づけられている。
えびの市からの雇用支援を受けることで、人材面の安定も確保している。同社は九州各県に支店・営業所を持ち、今後も物流を強化して地域医療機関との取引を継続していく。
医療機器流通を支える同社の動きが、南九州の供給環境に新たな安定要素を加える。今回の拠点新設は、同社にとって物流体制を補強する実行段階の施策といえる。