株式会社KINUJO(東京都千代田区)は、サロン向け縮毛矯正アイロン「KINUJO Sapphire Straight Pro(サファイアストレートプロ)」を23日から美容サロン専売品として発売する。ブランドとして初めて縮毛矯正アイロンの領域に参入し、独自の「サファイアプレート」を新たに開発して採用した。施術クオリティのばらつきを抑えやすい設計を掲げ、教育現場や日々のサロンワークでの再現性を重視する。
新製品は、従来のシルクプレート(R)とは異なるサファイアプレートを搭載する点が特徴だ。縮毛矯正施術に求められる矯正力、操作性、髪のツヤに焦点を当て、サロン現場で活動する美容師が共同開発に参加した。KINUJOは「熱と水分を適切にコントロールし、しっかりとクセを伸ばす」という縮毛矯正特有のニーズに応える狙いで、家庭用スタイリング機器で培ったプレート開発の知見をサロン専売のプロ市場に広げる。
開発2年6カ月の新機種
開発期間は約2年6カ月。プレート幅は約24ミリメートルで、180度まで約21秒で到達するとしている。提供形態は美容サロン専売品とし、サロンの施術工程に組み込むことを前提に仕様を詰めた。
サファイアプレート加工ありと加工なしを比較した自社調査では、髪サンプルを180度設定で根元から毛先までスルーした際の水分減少率から脱水効率を算出し、サファイアプレート加工により脱水効率を約3.5%高めたという。測定は新潟県工業技術総合研究所素材応用技術支援センターで実施し、毛髪負担抵抗(引張伸び)も加工なし比で約50%軽減したとするデータがある。KINUJOは2012年の創業以来、シルクプレート(R)採用のヘアアイロンを主力に展開してきており、サファイアプレートは同社にとって新たな独自プレートのラインアップとなる。
機能面では、1秒ごとに音でプレス時間を知らせるカウント機能を搭載し、施術時間の共有や指示をしやすくする。音はON/OFFの切り替えが可能だ。専用ヒーター構造により、高速立ち上がりで待ち時間を抑え、連続施術時の熱ムラや温度ブレを抑制する設計も盛り込んだ。
縮毛矯正アイロン市場では、チタンやセラミックなど従来素材のプレートが主流で、摩擦低減や温度安定を訴求する製品が展開されている。KINUJOはサファイア素材に特化したプレートを新開発し、縮毛矯正工程で重視される熱と水分の扱いに焦点を当てた。
美容師参画で運用設計
共同開発には、サロン現場の美容師が参画した。株式会社COA代表の青木大地氏は、必要以上に高温に頼らず、安定した温度で均一に熱を入れられることが重要との考えを示し、プレート構造や温度制御にこだわったとする。株式会社III(スリー)代表の寺村優太氏は、同一サロンのスタッフであれば誰が施術しても同水準のクオリティに近づけることを重視し、薄いプレートによる操作性、先端までムラのない温度安定、カウント機能による施術スピードの共有を評価する。COA表参道店長のゆうだい氏は、温度復帰の速さや、音によるカウントで施術ペースを共有しやすい点を挙げる。
カウント機能は教育現場や複数スタッフによる施術で時間基準を合わせる用途を想定しており、ON/OFF切り替えでサロンごとの運用に応じた使い分けを可能にした。専用ヒーター構造による高速立ち上がりは、連続施術における温度低下を抑え、施術ごとの仕上がり差を縮小する狙いがある。
背景には、KINUJOがシルクプレート(R)採用のヘアアイロンで「髪のうるおいを守りながらスタイリングできる価値」を訴求してきた経緯がある。縮毛矯正に特化したサファイアプレートを新たに開発し、熱と水分のコントロールを一段と重視した。日本の美容サロン市場では縮毛矯正施術需要が底堅く推移し、プロ向けヘアアイロンのサロン専売品セグメントが成長するなか、サロンの業務設計に沿った機器投入が相次いでいる。類似製品ではカウント機能や高速の温度リカバリーを備えたプロ向けアイロンがサロン専売で展開されており、KINUJOはアシスタント教育支援と仕上がりの再現性を前面に打ち出して新カテゴリを投入する。
サロン現場では、専売品としての取引条件や導入プロセスに加え、教育用途を念頭に置いた運用ルールの整備が課題となる。時間管理にカウント機能を組み込み、温度安定性や温度復帰性能を生かすことで、施術工程の標準化と生産性向上を図れるかが焦点となる。
