キーコーヒー株式会社(東京都港区)は、茨城県日立市の「ひたち南ドライブイン」内に「KEY’S CAFÉ ひたち南ドライブイン店」を開業した。全国に展開する同ブランドの新店舗で、幅広い世代が楽しめるコーヒーやフード、デザートを提供する。車での来訪者や周辺住民の利用を見込む。
同社が展開する「KEY’S CAFÉ」は、喫茶文化の継承と地域コミュニティ活性化を掲げるカフェ業態で、今回の新店舗開設は観光地型商業施設での出店強化の一環だ。高速道路利用者を中心に需要を取り込む狙いがある。
茨城で新店舗稼働
「KEY’S CAFÉ ひたち南ドライブイン店」は、常磐自動車道の日立南太田インターチェンジから約5分の場所に位置し、観光客や地元客でにぎわう大型商業エリア「ひたち南ドライブイン」に設けられた。
営業時間は午前9時から午後5時までで、月曜定休(祝日の場合は翌平日)。座席数は58席。
店内では、同社が独自に開発した「氷温熟成®珈琲」やそれを使ったアレンジドリンク、オムライス、キッズメニューなどを展開している。テイクアウトにも対応し、ドライブ客の利用にも配慮した。
開発の背景には、同ブランドが掲げる“Casual But Authentic~ひと味ちがう、ひとときを~”というコンセプトがある。
店主が低コストで開業できるパッケージ型カフェとして展開しており、加盟金やロイヤリティ不要の仕組みを採用することで出店を促進している。
今回の出店もその枠組みを活用したもので、同社にとって郊外型ロードサイドカフェ拡充の一手と位置づけられる。
フランチャイズ方式で全国展開
「KEY’S CAFÉ」は、これまで高速道路サービスエリアや大学、病院、駅ナカ施設、書店など多様な立地で出店を進めてきた。全国に店舗網を広げ、地域の喫茶文化をつなぐモデルとして展開しているのが特徴だ。
開業形態は、同社がノウハウや設備を提供するパッケージ方式で、加盟側は比較的少額の資金で出店できる。この構成により地方・観光地での店舗網を増やしてきた。
日立市での新店開設は、常磐自動車道沿線の交通量を背景に、高速道路利用者の休憩需要を取り込む試みでもある。
フードメニューとしては定番の「ふわとろたまごのオムライス」に加え、子ども向けのメニューを導入。コーヒーの風味を生かしたデザート類もそろえることで、ファミリー層や若年層にも訴求する構成だ。
氷温熟成珈琲でブランドを強化
同社が提供する「氷温熟成®珈琲」は、焙煎前の生豆を氷温域(0℃以下)で一定期間熟成させる製法により、まろやかで透明感のある味わいを引き出すのが特徴とされる。
店頭ではネルドリップによる抽出を採用し、独特のコクや甘い余韻を引き立てている。
こうした製法面での独自性が、他社のカフェチェーンとの差別化要因となっている。
キーコーヒーは1920年創業の老舗で、自社焙煎によるレギュラーコーヒーやギフト製品も展開する。
直営・提携店舗「KEY’S CAFÉ」はそのブランド力を活用した主要チャネルの一つで、家庭用・業務用販売との相乗効果を狙う戦略の中核に位置づけられている。自社通販サイトなどで展開する「氷温熟成®珈琲」「トアルコ トラジャ」などのブランド知名度を、カフェ事業でも活用している。
喫茶文化と地域活性化の両立を推進
キーコーヒーは「喫茶文化の継承」を掲げており、近年は地域コミュニティ機能を持つ店舗づくりを進めている。
今回の出店先である「ひたち南ドライブイン」は地場産品の販売や観光バスの停留なども多く、同社が重視する「地域に根ざす商業拠点」としての条件を備える。地元客と観光客の双方にアプローチできる立地のため、同社ブランドを広く体験できる場とする狙いがある。
背景には、外食業界全体で高速道路沿線や観光地の施設再生が進む流れがある。
コロナ禍以降、ドライブ需要やテイクアウト志向が定着し、飲食店の郊外展開が再び注目されている点も要因といえる。
業界関係者によると、こうした郊外型の小規模出店は人員配置や運営コストの柔軟性が高く、ブランド訴求を兼ねたリアル拠点として効果が見込めるとされる。
同社は今後も「KEY’S CAFÉ」の全国展開を続け、多様なロケーションでの店舗運営を広げる方針だ。
氷温熟成技術を核としたコーヒー提供を通じ、地域との連携や新規顧客層への接点拡大を図るとしている。今回のひたち南ドライブイン店の開業は、観光と地元需要の双方を背景とした郊外型出店の流れの一端を示す動きといえる。