京王電鉄株式会社(東京都多摩市)は3月13日、京王線・井の頭線で駅係員、乗務員および技術員が利用する全仮眠室に、株式会社エアウィーヴ(東京都千代田区)のマットレストッパーを導入した。対象は鉄道の最前線で働く社員の仮眠環境で、約1,000床に設置した。仮眠時間に良質な睡眠を取りやすい環境を整え、起床時の眠気の緩和などを通じて業務のパフォーマンス向上につなげる狙いがある。
導入した寝具は、エアウィーヴが製造・販売するマットレストッパーで、駅係員や乗務員、技術員が勤務の合間に利用する仮眠室に採用した。交代制で会社施設に泊まる勤務がある現場において、社員が限られた仮眠時間でも質の高い睡眠を確保できるよう環境を整備したもので、働きやすい職場づくりやエンゲージメント強化の取り組みの一環と位置づける。
約1,000床へ導入
設置場所は、京王線・井の頭線の駅係員、乗務員および技術員が利用する全仮眠室とした。社員が仮眠時間に利用する既存の寝具の上に重ねて使用する形をとり、これまでの寝具運用を維持しながら、仮眠時の睡眠環境を改善する設計とした。
マットレストッパーは寝具の上に重ねて使うタイプで、復元性や体圧分散、寝返りのしやすさ、通気性、中材の水洗いといった特徴を持つとされる。京王電鉄は、こうした特徴を活用し、起床時の眠気の緩和や身体への負担軽減を通じて、鉄道運行を支える現場社員のコンディション改善につなげる。
対象を「すべての仮眠室」としたことで、駅係員、乗務員、技術員が利用する仮眠室を横断し、京王線・井の頭線の現場全体で一斉に環境水準を引き上げた。部分的な導入にとどめず、利用者の職種と拠点を明確に定義したうえで約1,000床規模で設備をそろえたことで、全社的な運用ルールのもとで仮眠環境を標準化する狙いもにじむ。
京王電鉄はこれまで、育児休職の一部有給化や置き型社食の設置など、社員の生活と健康に配慮した施策を重ねてきた。今回の寝具導入も、これらと並ぶ健康経営の施策と位置づけられ、「日本一安全でサービスの良い持続可能な交通」の実現に向け、鉄道の最前線を担う社員のコンディション維持・向上を支える取り組みといえる。
背景には、睡眠を切り口とした健康配慮の動きが、交通・物流など24時間体制のインフラ業種に広がっている流れがある。エアウィーヴは、睡眠を通じて社会インフラを支える人々の健康を支援する姿勢を掲げ、鉄道会社や陸運、バス会社などでの導入実績を積み上げてきた。マットレストッパーは、既存寝具を活用しながら寝心地や支持性を改善できる手段として知られ、大規模な設備更新を伴わずに現場環境を改善するツールとして活用が広がっている。
