京浜急行電鉄株式会社(横浜市西区)とecbo株式会社、株式会社ビジョンは、訪日外国人観光客向け手荷物の当日配送を拡充し、羽田空港と都内拠点を結ぶ双方向配送の実証を始める。既存の空港発に加え、市中や宿泊施設発の空港向けを追加する。到着日と帰国日の移動負荷を下げる狙いを掲げる。
新たに始めるのは、帰国日に宿泊施設や市中拠点から羽田空港へ手荷物を当日配送する運用だ。京急電鉄が交通インフラ、ecboが物流プラットフォーム、ビジョンが空港での顧客接点を担う。訪日客の到着から帰国までを一体的にカバーし、空港と都内側の双方で受け付けるサービス設計とした。
当日16時受け取り
受付はWebの事前申し込みに加え、各拠点での当日受付にも対応する。預かった荷物は当日16時より羽田空港第3ターミナルで受け取りが可能となる。羽田空港第3ターミナル駅に設置する手荷物当日配送カウンターは、営業時間を20時まで延長する運用とし、夕方以降の到着便にも対応できる体制を整える。
都内側の受付拠点には、ecbo cloak 丸の内店、京急 EXイン 東京・日本橋、TIME SHARING/グレイドパーク新橋駅前が含まれる。今回の拡充で、従来提供してきた「訪日初日に羽田空港から宿泊施設へ」の当日配送に加え、「帰国日に宿泊施設や市中拠点から羽田空港へ」の当日配送も扱う。双方向化により、往路・復路の双方で大きな荷物を持ち運ばずに観光や移動ができる環境整備を進める。
取り組みの起点は、京急電鉄とecboが2024年8月に実証実験を開始し、2025年3月に本運用へ移行した手荷物当日配送にある。今回はビジョンが参画し、海外用Wi-Fiレンンタルサービス「グローバルWiFi®」の羽田空港カウンターなど、空港内の顧客接点を活用する。都内側では、ビジョンのグループ会社である株式会社あどばるが運営する大型レンタルスペース「グレイドパーク新橋駅前」を受付拠点の一つに組み込み、受付網を都心部へ広げる。
ecboは荷物預かりの「ecbo cloak」や宅配受け取りの「ecbo pickup」を運営し、手荷物の受け付けや引き渡しを支える基盤を持つ。京急電鉄は羽田空港アクセスを担う交通事業を中核に、不動産事業なども展開する。今回の実証は、空港アクセスと都内滞在の動線に荷物の流れを組み込むことで、移動と物流を一体で設計した点が特徴となる。
外部環境では、訪日外国人観光客数が回復・拡大傾向にあるとの認識を3社が共有する。空港から市中への移動の利便性向上に加え、公共交通機関内での大型手荷物による混雑緩和を課題として挙げる。羽田空港は国際線利用も多い空港であり、第3ターミナルでの受け取り時刻を当日16時以降に揃え、カウンター営業時間を20時まで延長する運用は、帰国便の時間帯と都内移動の両方を意識したダイヤ構成といえる。
3社で接点を分担
今回の双方向配送は、空港側と都内側で受付拠点を分け、受け付け方法もWeb事前申し込みと当日受付の併用とする。都内側で預かった荷物は、羽田空港第3ターミナルで当日16時以降に受け取れる仕組みとし、空港側では羽田空港第3ターミナル駅の手荷物当日配送カウンターを利用、営業時間を20時まで延長する。
役割分担は、京急電鉄が交通インフラ、ecboが物流プラットフォーム、ビジョンが空港での顧客接点を担う枠組みだ。受け付け拠点としては、ecbo cloak 丸の内店、京急 EXイン 東京・日本橋、TIME SHARING/グレイドパーク新橋駅前を挙げる。ビジョンは「グローバルWiFi®」の羽田空港カウンターも顧客接点として活用し、空港内での案内や受付導線と都心部の受け付け場所を組み合わせる構成とする。
実証の運用面では、受付がWeb事前申し込みと当日受付の併用である点と、当日16時以降の受け取り、空港カウンターの20時までの対応が条件となる。取引管理や法人営業の観点では、受付拠点ごとの当日受付可否の運用や、受け取り可能時刻に合わせた移動計画の組み立てが論点となる。京急電鉄とecboが2024年8月に開始し2025年3月に本運用へ移行した手荷物当日配送を基盤に、ビジョンが参画して双方向配送の実証を進めることで、訪日客の移動需要と都市内物流を結びつける新たなスキームの確立を図る。
