株式会社関電エネルギーソリューションは、クラウド型設備保全管理システム「おまとメンテ®」を4月1日に発売する。自社で開発し運用してきた仕組みを外販するもので、複数施設にまたがる設備管理業務の効率化を支援し、設備情報の一元管理によって設備トラブルへの初動対応を速める狙いだ。
「おまとメンテ®」は、複数施設の設備台帳や点検結果、不具合履歴などの情報をクラウド上で一元管理し、情報の見える化と迅速かつ適切な初動対応を可能にする点が特徴だ。複数施設の運営や設備管理業務の効率化に課題を抱える企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に寄与するとしている。関電エネルギーソリューションは、顧客施設の空調、給湯、照明、動力などに必要なユーティリティ設備について、設計・資金調達・建設を一貫して担い、完成後の運転・保守管理まで提供するエネルギーサービスを「ユーティリティサービス®」と定義しており、このサービスと連動させて設備保全のデジタル化提案を広げる。
全国約500拠点の知見
関電エネルギーソリューションは「ユーティリティサービス®」で全国約500拠点の実績を持ち、「おまとメンテ®」はこうした拠点で培った設備管理のノウハウをもとに開発した。自社で開発・運用しているクラウド型設備保全管理システムで、複数施設を対象に設備情報を統合する運用を想定。全社一括での設備更新計画の策定や網羅的な分析、リコール対象設備の抽出などを効率化できるとしている。
同社は、設備管理業務の現場で顕在化している課題として、紙と電子データの混在による非効率さ、慢性的な人手不足、現場ノウハウの喪失などを挙げる。「おまとメンテ®」は、設備管理に携わる社員の声を反映して開発したシステムと位置づけ、設備台帳や点検結果、不具合履歴を一つの仕組みに集約する設計により、施設ごとに分散しやすい情報を同一の手順で扱えるようにする。
設備保全管理システムの分野では、点検結果や不具合履歴の一元管理を掲げるクラウド型ツールが複数施設向けのDX手段として展開されている。関電エネルギーソリューションは、ユーティリティ設備の設計から運転・保守管理までを含むサービス提供で蓄積した知見をシステムに反映し、設備管理の運用で扱う情報の標準化を進める考えだ。省エネ自動チューニングサービス「おまかSave-Pro」や省エネコンサルティングサービス、空調制御サービス「おまかSave-Air」なども提供しており、設備運用に関わる提案群の一つとして「おまとメンテ®」を位置づける。
オプション連携で運用
提供開始にあわせ、オプションとしてKenes独自のサポートサービスも用意する。紙図面や帳票の電子化支援、現地作業を動画で記録し技能伝承に役立てるウェアラブルカメラの無償貸与、Kenes遠隔監視との連携による設備管理業務サポートなどを組み合わせることができる。システム単体の導入にとどまらず、紙資料の電子化や現場作業の記録、遠隔監視との連携といった周辺業務を含めた運用を想定する。
開発・運用は関電エネルギーソリューションが担い、オプションとしてKenes独自のサポートサービスを組み合わせる。複数施設の設備情報を統合する運用を前提とし、設備台帳、点検、故障・不具合対応といった業務データを同一の環境で扱うことを運用の軸に据える。
同社は人材育成面でも、設備管理業務に必要な教育を実施する体制を掲げる。入社後に集合研修を行い、会社概要やビジネスマナーに加え、設備基礎知識、安全基礎知識などを教育することで、現場での設備管理業務を担える人材を計画的に育成している。こうした現場運用の知見や教育の枠組みを背景に、自社内で運用してきたクラウド型の仕組みを外部提供へ展開する。
企業の複数拠点運営では、設備管理に関わる情報の形式や保管方法が拠点ごとにばらつきやすい。関電エネルギーソリューションは、紙と電子データの混在、人手不足、ノウハウ喪失など運用面の課題に照準を合わせ、遠隔監視や業務効率化のニーズも踏まえて「おまとメンテ®」を展開する。設備情報の集約を起点にトラブル時の初動対応を速めるとともに、全社的な設備戦略の立案や更新投資の判断を支える基盤としての活用も見込む。
クラウド上で設備台帳や点検結果、不具合履歴を扱う設計と、紙図面・帳票の電子化支援や遠隔監視連携を含むオプションの組み合わせが導入の焦点となる。複数施設を対象に、全社一括で設備更新計画の策定やリコール対象設備の抽出などを進める運用が想定されており、導入時には対象施設の範囲や、Kenes遠隔監視連携を含む役割分担の整理が課題になりそうだ。関電エネルギーソリューションは4月1日に、クラウド型設備保全管理システム「おまとメンテ®」の販売を始める。
