カナデビア株式会社(大阪市)は4月30日、当社グループで判明した不適切行為に関し、役員報酬返上を実施すると発表した。対象は当社役員と監査役、連結子会社の日立造船マリンエンジン株式会社の役員に及ぶ。外部流出や拡散の有無は示していない。社内では処分の決定を含む対応を進めており、ガバナンス運用と役員責任の取り方が取引先を含む関係者の判断材料になりそうだ。
今回の役員報酬返上は、カナデビアが3月25日と4月30日に公表した調査結果で明らかになった不適切行為を受けた措置だ。実施主体はカナデビアで、当社役員のほか監査役の自主返上申し出を受理し、連結子会社の役員についても同様の返上を決めた。社外に向けては、ステークホルダーに迷惑と心配をかけたとして謝罪の意を示している。
最大30%を最長3カ月
当社役員では、代表取締役 取締役社長兼CEOの桑原道が月額報酬の30%を3カ月間返上する。
取締役の三野禎男は月額報酬の30%を2カ月間、取締役の木村悟は月額報酬の10%を2カ月間、それぞれ返上する。
監査役では、山本和久が月額報酬の10%を2カ月間、森方正之が月額報酬の20%を2カ月間、自主返上する旨の申し出があり、カナデビアはこれを受ける。
連結子会社の日立造船マリンエンジン株式会社では、取締役の鎌屋樹二が月額報酬の30%を3カ月間返上する。
5月から返上を実施
実施時期は2025年5月からとした。
対象範囲は当社の取締役・監査役に加え、連結子会社の役員にも及ぶ形となる。返上期間は2カ月間または3カ月間で、返上割合は10%、20%、30%の範囲で設定した。
3月・4月に調査結果を公表
カナデビアは、2025年3月25日付で当社グループの舶用エンジン事業に関する不適切行為について調査結果を公表した。
続く4月30日付では、舶用エンジン事業以外の事業に関する不適切行為についても調査結果を公表している。今回の役員報酬返上は、この一連の不適切行為を受けた対応の一環と位置づけられる。
同社は一連の不適切行為により、ステークホルダーに迷惑と心配をかけたとして改めて謝罪した。
外部環境や制度変更などの要因には触れておらず、現時点では不適切行為の具体的内容や影響範囲の追加説明は示していない。このため、運用面では、調査公表後の社内統治や説明責任の取り方が、需要・供給ではなくコンプライアンス運用の単位で論点になり得る。
子会社を含む責任整理が論点
カナデビアは当社と連結子会社の双方で役員報酬返上を実施する。
取引や共同案件の関係者にとっては、当社側の判断と子会社側の対応がどの範囲に及ぶか、また監査役の自主返上を含めた統治上の対応がどのように運用されるかが、今後の注目点となる。
