カゴヤ・ジャパン株式会社(京都府京都市中京区)は、法人向けの新しいクラウドメールサービス「KAGOYA MAIL」を正式に提供開始した。創業から25年の運用実績をもつ同社が、企業のメール業務を見直しやすい形に変える狙いで開発したもの。セキュリティ機能を備え、ウェブブラウザからも利用できる構成とした。
同サービスは、企業のデジタル化支援を進める中で、既存のメール運用における手間やコストの軽減を意識して設計された。KAGOYA MAILはクラウド技術を用い、サーバーや端末環境に依存せずメールを利用できる仕様を採る。カゴヤ・ジャパンでは、クラウドサービスやVPSなどを展開する本業の一環として開発を継続してきた。
KAGOYAが法人向けクラウド展開
サービスはユーザー数の制限が設けられていない月額定額制で、企業規模に左右されず利用できる。PCやスマートフォン、タブレットなど複数の端末で動作し、ウェブメール機能を標準装備した。マルウェアやなりすまし対策としてSPF、DKIM、DMARCなどの認証技術に対応し、毎日自動でバックアップをとる仕組みを組み合わせた。販売は自社を通じて行う。
カゴヤ・ジャパンは1926年創業。1998年にインターネット接続事業を開始して以降、クラウドやレンタルサーバー領域を中心に事業を広げてきた。最近では「KAGOYA FLEX」など自社データセンターを基盤とするクラウド基盤サービスを展開しており、今回のKAGOYA MAILもその延長線上にある動きとなる。
日本ビジネスメール協会調査を背景に開発
一般社団法人日本ビジネスメール協会が6月に公表した「ビジネスメール実態調査2025」では、業務時間の約3割がメール対応に費やされる実態が示されている。内容確認や文章作成にかかる時間が長いことが主要因とされ、企業の作業効率が課題となっている。カゴヤ・ジャパンではこうした調査結果を踏まえ、AI技術を組み入れる構想を盛り込み、業務負荷の削減を目指す姿勢を示している。
同社は京都市内に本社を構え、官公庁向けから中小企業向けまでをカバーする国内データセンターを運用している。安定した通信基盤を武器に、自社構築のクラウド技術を活かす形で今回の新サービスを立ち上げた。
今回のサービスでは、契約期間や導入規模を問わず同一料金体系を取る方式を採っている。提供形態は常設型のクラウドサービスで、再販や数量制限に関する記載はない。開発、運用、販売の各工程は同社が担う。
誤送信防止などのオプション機能を付加する設計が可能であり、添付ファイルはURL形式で共有する方式を採用する。AIを応用した返信文支援機能などは導入予定の段階にとどまっている。
同社はクラウド、レンタルサーバー、ハウジングなど複数分野を手掛けており、これらを組み合わせた形での企業IT基盤整備を進めている。今後も自社データセンターを核とした体制のもと、各サービス間の連携を強める動きを示している。
法人取引の観点では、今回の新メールサービスが既存クラウド基盤上で提供されるため、既契約顧客に対しても同環境で運用できる点が注目点となる。クラウド事業の拡充による継続的な支援体制の一環とされている。