ジェイテック(東証スタンダード、名証メイン)は3月13日、26年3月期の連結業績予想を下方修正し、従来未定としていた配当予想を前期比増配とした。減収減益見通しで、売上の伸び悩みが影響範囲となる。外部流出や拡散に関する発表はなく、配当方針の公表で対応を示した。本修正は取引先の計画や発注判断にも波及し得る。
ジェイテックは26年3月期の売上高を前期比2.7%減の33億円、営業利益を45.3%減の1億80百万円、経常利益を52.1%減の1億58百万円、親会社株主帰属当期純利益を58.3%減の95百万円とする見通しを示した。技術者を製造業の開発・設計部門へ派遣する「技術職知財リース事業」を中核に据える同社にとり、案件交渉の停滞が計画の組み替えにつながった形だ。配当は会社設立30周年記念配当3円と普通配当10円を合わせ、期末一括で13円とした。下方修正の一方で株主還元を明確化し、財務運営の継続性を示す位置づけとなる。
26年3月期33億円へ
修正後の業績予想は、期初に示した売上高40億円、営業利益4億円、経常利益4億円、親会社株主帰属当期純利益2億40百万円からそれぞれ引き下げた。下方修正幅は売上高が7億円、営業利益が2億20百万円、経常利益が2億42百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億45百万円となる。
従来の増収増益計画から一転し、減収減益見通しへ転換した。
会社側は修正理由として、海外動向に一部触発された不透明な景気状況の下で、各種交渉が思うように進まず停滞が想定以上に長引いた点を挙げた。売上高の伸び悩みに加え、一時的な費用の増加も影響する見込みとした。
配当予想は未定から一転し、30周年記念配当3円を実施し普通配当10円と合わせて13円(期末一括)とする。前期比では3円の増配となる。
3Q累計は24億93百万円
第3四半期累計(25年4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.6%減の24億93百万円、営業利益が43.3%減の1億30百万円、経常利益が53.9%減の1億06百万円、親会社株主帰属四半期純利益が54.9%減の67百万円だった。
減収減益で推移した。
売上面では請負受託案件の回復遅れが影響した。利益面は販売費及び一般管理費を圧縮したものの、売上高の減少で売上総利益が減少した。セグメント別では、技術職知財リース事業の売上高が1.6%減の24億93百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が7.6%減の4億93百万円だった。
なお一般派遣およびエンジニア派遣事業は25年3月期より全業務を休止している。
四半期で利益は改善基調
全社ベースの四半期別では、第1四半期の売上高が8億11百万円で営業利益22百万円、第2四半期は売上高8億15百万円で営業利益39百万円、第3四半期は売上高8億67百万円で営業利益69百万円となった。
利益水準は四半期を追って増えており、費用抑制の効果が数字に表れた格好だ。
700名体制へ採用・教育強化
同社はテクノロジスト派遣の「技術商社」を標榜し、製造業の開発・設計部門に技術者を派遣する「技術職知財リース事業」を展開している。社員を「テクノロジスト」と呼称し、専門教育による知識を基盤に、知恵を提供(リース)することで顧客とともに価値創造を目指す考え方を打ち出してきた。
取引先は上場企業および優良中堅企業が中心で、独立系の技術者派遣会社として160社以上と取引がある。売上高上位顧客にはデンソーテン、ヤマハ発動機、本田技研工業、日立GEニュークリア・エナジー、ヤマハ、三菱重工業、東レエンジニアリング、MHIパワーコントロールシステムズ、オムロン、LIXILが挙がる。
背景には、人材増強と事業多角化を軸に据える成長戦略がある。中期目標はテクノロジスト700名体制の早期実現で、人材採用・教育の強化を掲げる。25年3月期末の連結ベース在籍テクノロジスト数は388名で、25年4月の新卒採用は43名だった。単体ベースでは期末230名で、25年4月の新卒採用は6名となる。
外部環境面では、不透明な景気状況の下で交渉停滞が業績に影響した点が今回の修正で示され、需要(受注・請負受託案件)の回復テンポが運用上の論点として浮かび上がった。
今後は、下方修正後の業績見通しの進捗と、未定から増配へ切り替えた配当方針の継続性が並行して注目される局面となる。
