四国旅客鉄道株式会社(香川県高松市)は、中期経営計画2025に基づく取組状況をまとめた2025年度第2四半期報告書を公表した。報告によると、同社およびJR四国グループ全体で設定している主要施策KPIのうち、11項目のうち9項目を達成した。鉄道部門では鉄道運輸収入が前年同期比で7億円増の121億円となり、非鉄道分野でもホテルや商業施設の売上が堅調に推移した。
収益確保策や観光施策を中心に進めており、香川県のあなぶきアリーナや瀬戸内国際芸術祭など各種イベント開催、NHK連続テレビ小説の放映に合わせた鉄道利用促進、観光列車の運行強化などが含まれた。さらに、デジタルチケットの拡充やスマートフォンアプリ「しこくスマートえきちゃん」の利用促進といった非対面型サービスの展開も続けている。
連結収益は278億円、経常利益5期連続黒字
JR四国グループの2025年度第2四半期(4〜9月)の連結営業収益は278億円と、前年同期から10億円の増収となった。営業利益は45億円の赤字ながらも前年より5億円改善した。経常利益は22億円増加の51億円で、5期連続の黒字を維持した。親会社株主に帰属する純利益は44億円で、同様に5期連続の黒字となった。運輸・ホテル・飲食物販など主要セグメントで増収となり、イベント需要を取り込んだ形になっている。
観光・商業施設でも指標達成
観光列車関連では、「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」「四国まんなか千年ものがたり」などで特別運転や記念イベントを展開し、乗車人員は計5万3500人を目指す計画に対し9割強の水準まで回復した。また、高松駅ビル「高松オルネ」や「JR松山駅だんだん通り」での来館者数・売上が計画比を上回り、テナント売上は16億円で前年を大きく超えた。ホテル部門の㈱JR四国ホテルズも22億円超と計画を上回る実績を示しており、宿泊・飲食の両面で回復傾向を示した。
四国キヨスク㈱もコンビニや土産店舗で全国商品を扱う催事などを実施し、計画比を上回る売上を確保した。グループ全体での取り組みが成果として表れ、非鉄道分野の拡大が続いている。
KPI検証で9項目達成、地域連携が寄与
2025年度第2四半期の主要施策KPI検証では、鉄道運輸収入やホテル売上、高松オルネテナント売上など9項目で達成または上回る結果となった。四国デスティネーションキャンペーンの継続や観光列車の季節運行、「四国家のお宝」シリーズなど地域連携に基づく施策も引き続き展開されている。
一方、特定時期の利用減少や外的要因が影響した項目もあり、観光列車乗車人員など一部の指標では目標を下回った。チケットアプリの定期利用率については夏季の通学需要減の影響で計画未達となったものの、会員数10万人を突破するなど利用拡大の兆しを示している。
支援活用と設備更新で事業基盤を補強
同社は、国による支援措置を活用しつつ、経営安定基金や省力化設備投資を進めている。2025年度上期には1200型ローカル気動車2両をリニューアルしたほか、8000系特急電車の改修を継続している。また、四国内3路線でバスとの相互利用を進めるモーダルミックス実証実験を開始し、地域交通ネットワークのモデル化を図っている。
非鉄道分野では、高松市番町での分譲マンション「J.CREST番町ミッドハウス」の建設に着手したほか、高松・岡山両市へのホテル新設も予定されており、グループ全体の収益多角化を示している。
グループ連携強化、今後の注目点
JR四国グループの中期経営計画2025は最終年度を迎えており、「鉄道事業における収益拡大施策の推進」「構造改革の加速」「非鉄道事業の最大限の収益拡大」の3本柱による施策が同時進行中だ。鉄道の安定収入確保と非鉄道収益の積み上げを両立する体制が整いつつある。今回のKPI検証結果は、収益構造の多様化が進む過程を示す中間地点といえる。