JR九州(福岡市)は3月17日、2025年8月の豪雨で被災して運休が続くJR肥薩線の霧島市内の復旧現場を報道陣に公開した。線路の土台が崩壊して線路が宙に浮いた区間で盛り土の造成を進め、隼人〜吉松間は6月末からの運転再開を目指す。通勤・通学の代替は代行バスで続いており、鉄道の復旧は沿線の移動手段に影響を与える。
今回公開したのは、霧島市隼人町嘉例川の表木山駅から日当山駅間で盛り土が崩壊した現場だ。JR九州が復旧工事の実施主体として進捗を示し、運休による沿線住民の移動負担を抑えるため、当初計画どおりの肥薩線運行再開を6月末に設定した。あわせて再発防止の観点から、水の流れを踏まえた構造対策も工事に組み込んでいる。
霧島市で盛り土造成進む
被害が出たのは、2025年8月に霧島市や姶良市を中心に鹿児島県を襲った豪雨の際だ。肥薩線では表木山駅〜日当山駅間で、線路の土台となる盛り土が長さ50メートル、高さ10メートルにわたって崩壊した。地面が大きくえぐられ、線路が空中に浮いた映像が残るほどの規模だったという。
この区間は現在も運休が続き、地域住民の通勤・通学に影響が出ている。
現時点では代行バスで対応しているが、鉄道と比べた利便性の違いから、沿線での移動負担は小さくない状況にある。
原因は時間雨量120ミリ超
JR九州は、盛り土崩壊の原因を時間雨量で120ミリを超える大雨と説明した。大雨で現場近くの川の水があふれ、線路の土台を流し去ったためだという。豪雨の局地的な強まりが、線路構造に直接の影響を及ぼした構図になる。
復旧工事では、土台が消失した場所に新たな盛り土を設置する。加えて、盛り土に沿った水路の整備を並行して進める。次の豪雨に備えた構造的な対策を復旧と同時に講じる点が、今回工事の特徴だ。
隼人〜吉松、6月末再開目標
3月17日の現場公開時点で、盛り土の造成は目に見えて進んでいるという。
JR九州は当初の計画通り、隼人〜吉松間について2025年6月末の運行再開を目指す。運休中の移動手段は代行バスが担っており、運転再開の時期は沿線の通勤・通学の足の戻り方を左右する。
JR九州の海老原毅鹿児島支社長は、代行バスで不便をかけている状況が続いているとしたうえで、6月末から運転を再開し「元の通学しやすい形で交通機関として提供できるよう」工事を進める考えを示した。
復旧の進捗とあわせ、代替交通から鉄道へ戻す局面の運用が、今後の焦点となる。
代行バス継続、復旧の段取り注目
霧島市や沿線に暮らす人々にとって、肥薩線の復旧は通勤・通学の移動に直結する。
現場では盛り土の再構築と水路整備を同時に進めており、隼人〜吉松間の肥薩線運行再開を6月末に合わせられるかが、復旧工程の中で位置づけられている。
