代理参拝プラットフォーム「セレモビ」を運営する株式会社ジャムコム(神奈川県横浜市)と真如山瑞延寺(横浜市南区)は、寺院近隣の高齢者を対象とした見守りサービスを共同で開発する。瑞延寺が建立を予定する永代供養墓の整備に合わせて、地元住民が遺骨を本堂に預けられる仕組みを設ける。このサービスとアプリ「セレモビ」を組み合わせ、住職による供養と代理参拝の両面で支援を図る。
ジャムコムは瑞延寺と連携し、近年増加している単身高齢者への支援を進める。横浜市の調査では、70歳以上の85%が同市内に墓を持ちたいと回答している一方、実際に利用できる墓がある人は13%にとどまる。特に遺骨を自宅で保管している人は56%に達しており、高齢化とともにその割合が上昇している。こうした現状を踏まえ、寺院を地域生活の支点とする新しいしくみづくりが狙いだ。
横浜市で308,680世帯が対象
横浜市内の65歳以上の一人世帯は2025年9月末時点で308,680にのぼる。ジャムコムは瑞延寺内に設ける「墓友の会」の運営を担い、LINEを活用した見守りシステムを構築する予定だ。また、同様のサービスを希望する全国の寺院に対し、「セレモビ」の仕組みを提供する構えを示している。瑞延寺では来年予定の永代供養墓の建立に向けて準備を進めている。
代理参拝アプリ「セレモビ」は、スマートフォンを通じて墓参りを依頼できる仕組みを持つ。指定日に代理で参拝し、その様子を撮影して依頼者に送る方式をとっている。2018年に企画を始め、2021年に正式提供を開始した。
寺院と企業の連携で新サービス
今回の取り組みでは、瑞延寺が地域住民の遺骨を一時的に本堂で預かり、住職が供養を行う。「配偶者の焼骨を預けた後、本人の焼骨とともに納骨する」流れを想定している。これに合わせてジャムコムは遠隔参拝のシステム運用を担当し、寺院側の支援を補完する。両者の協力関係は単発ではなく、今後の永代供養墓運用にも関係が続く形が示されている。
運営上は、瑞延寺が供養と保管を担う体制となっている。この体制により、横浜市内に限らず将来的な他寺院展開も視野に入っている点が特徴だ。
見守りと供養の両面を支援する今回の仕組みは、寺院を核にした地域高齢者支援として始動する。ジャムコムは「セレモビ」運用実績をもとに、他寺院とのシステム連携を段階的に整える構えを見せている。