ジェイコブ&コーは創業40周年を記念し、独自開発の新たなダイヤモンドカット「エンジェルカット」を発表した。あわせて、この新カットを初めて採用したタイムピース「ビリオネア ダブルトゥールビヨン エンジェルカット」を公開し、世界限定18本で展開する。新カットを時計のジェムセットに採用する動きは、宝飾と機構を併存させる設計の選択肢を広げる可能性がある。
エンジェルカットは、長方形ストーンの端正な美しさと、より高い光の反射性能を両立させることを目的に開発したという。従来、長方形の石ではエレガンスや歩留まりを保ちながら光学性能を高めることが難しいとされてきたとし、ジェイコブ&コーはファセット数の増加ではなく幾何学設計からアプローチしたとしている。加えて、光の取り込みが制限されやすいジェムセット・ウォッチにおいても、石の生命感と輝きを保ち続けることを特徴に挙げている。今回の公開は、ビリオネアコレクションで新たなカットを提示する取り組みだとしている。
限定18本と298石
「ビリオネア ダブルトゥールビヨン エンジェルカット」は、世界限定18本とした。ケースは54×41mmの18Kホワイトゴールドで、98石・計51.13カラットのエンジェルカット ホワイトダイヤモンドをセッティングしたという。ダイヤルにはエンジェルカット ホワイトダイヤモンド88石とバゲットカット ホワイトダイヤモンド80石を配し、時計全体では計298石・約79カラットと説明している。
エンジェルカットは37のファセットで構成し、中央に菱形のテーブル面を備えるとしている。角を落とした段差構造の長方形フォルムに独自の造形を収め、石の内部で光の流れを精緻に設計する構造を採ったという。名称は創業者ジェイコブ・アラボの妻アンジェラに由来し、37のファセットは結婚37年を象徴する数字とも説明している。
今回のモデルに搭載する手巻きキャリバーは「JCAM50」で、約460個のパーツから構成されるという。12時位置と6時位置に2つのフライングトゥールビヨンを備え、ジェムセッティングが生み出す光学的対称性と呼応するように機械的対称性をもたらすとしている。ダイヤル側は全面がダイヤモンドで埋め尽くされる一方、ムーブメントのスケルトン構造はサファイアケースバック越しに見える設計だとした。
開発2年と設計思想
ジェイコブ&コーは、創業以来ダイヤモンドを創造性と光を表現する素材として捉えてきたとし、その思想を推し進めるものとしてエンジェルカットを挙げている。長方形の石で光学性能を高める難しさに対し、あらゆる比率、角度、面構成を精緻に設計し、石の内部での光の流れを高度にコントロールする独自構造を実現したという。一般的なブリリアントカットに比べ面数を抑えながらも、各ファセットを設計意図のもとに配置したとしている。
リオネアコレクションでの展開として、過去にエメラルドカットやアッシャーカット、アショカカットなどを用いてきた流れの中で、新カットを加える形をとったとしている。
