株式会社伊豆シャボテン公園(静岡県伊東市)は、伊豆半島東海岸の城ヶ崎海岸における観光関連事業を譲り受け、和食処「ぼら納屋」と門脇埼灯台売店「城ケ崎ビューテラス」を伊豆シャボテン動物公園グループに迎える。2026年3月1日から運営を開始する予定で、城ヶ崎海岸の主要観光施設群を一体的に運営する体制となる。
同社によると、これまで運営してきた「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」や「伊豆海洋公園」と「ぼら納屋」「城ケ崎ビューテラス」を結ぶ城ヶ崎ピクニカルコースが一つの観光動線としてつながるかたちになる。観光地全体で回遊性を高め、既存施設の管理と地域観光の連携を進めるのが目的だ。
観光施設を一体運営へ
譲り受けの対象である「ぼら納屋」は、江戸期に由来する漁師小屋を基に1965年に再建された食事処で、金目鯛など伊豆の海産物を提供してきた。また、「城ケ崎ビューテラス」は2024年にリニューアルされた門脇埼灯台近くの売店・休憩所で、伊豆の特産品や土産品を扱う。これにより、3kmにわたる遊歩道の起点から終点までを同グループの関連施設が結ぶ形になり、沿線の観光要素を統合する運営体制が整う。
さらに、同社は伊豆海洋公園内に新たな宿泊施設の建設を計画している。レジャーダイビング発祥の地でもある立地を生かし、全室オーシャンビューの客室を備えたホテルと、キャビンタイプの客室を併設する複合型の宿泊施設とする構想で、2027年中の着工を目指してプロジェクトを始動させた。
地域の行楽拠点を再編成
城ヶ崎海岸は、大室山の噴火による溶岩台地を波が侵食して形成された断崖地形で、2018年にユネスコ世界ジオパーク「伊豆半島」のジオサイトに登録された景勝地でもある。門脇埼灯台やつり橋は観光名所として知られ、テレビ撮影にも使われてきた。今回の事業継承により、これらの観光資源が伊豆シャボテン動物公園グループの既存施設と連続する構造となる。
同グループは、伊豆高原エリアで動植物園、テーマパーク、ミュージアムなどを運営しており、複数の観光施設を相互に結ぶ運営実績を持つ。観光動線の統合を通じて、地域内での滞在機会を拡充する取り組みの一環と位置づけられる。
施設間の連携と今後の運用
今回迎え入れた「ぼら納屋」と「城ケ崎ビューテラス」は、それぞれ季節営業を含む施設であり、伊豆シャボテン動物公園グループが一貫して運営を担う形となる。飲食・休憩・物販の各機能を自社系列内で補完し合う仕組みに切り替える。
今回の動きは、伊豆シャボテン動物公園グループが掲げる「自然と人との共生」を体現する事業展開の一つであり、城ヶ崎海岸エリアをリゾート機能を持つ観光拠点として統合的に扱う方針を示している。