伊藤忠商事株式会社(東京都港区)は、キャリアと子育ての両立支援サービス「そだキャリ+(プラス)」の提供開始を打ち出した。5日にローンチ発表会を開き、働きながら育児に向き合う社員一人ひとりに寄り添い、キャリア形成を継続的に支援する方針を示した。社員の仕事と育児の両立に関する個別支援を組み込み、社内の支援策を具体化する動きになる。
「そだキャリ+(プラス)」は、「子育てしながらキャリアも育てる」というコンセプトを掲げる。仕事と育児を両立したい社員のライフデザインを支援する企業向け個別支援プログラムとする。発表会ではゲストの山口もえさんと小籔千豊さんが登壇し、「子育てに関するお悩み相談室」として寄せられた悩みに実体験を交えたアドバイスを語った。
3月5日に発表会
トークショーでは、山口もえさんが家庭内の協力体制として、夫(爆笑問題・田中裕二さん)や成人した娘とアプリでスケジュールを共有し、お迎えなどを助け合っていると述べた。小籔千豊さんは、長女が成人し長男がこの春高校生になる家庭状況に触れ、夫婦で足並みを揃えて育児に向き合う様子を語った。
会場では「子育てに関するお悩み相談室」を設け、夫婦間の気持ちの伝え方が話題になった。山口もえさんは、夫婦間のコミュニケーションについて「感じたこと思ったことは言葉にする」と述べ、言語化の重要性を示した。小籔千豊さんは、結婚時や出産時の出来事など「そもそも」の原点に立ち返る姿勢に言及した。
伊藤忠商事は「そだキャリ+(プラス)」を、仕事と育児を両立したい社員を対象にした企業向け個別支援プログラムと説明する。働きながら育児に向き合う社員一人ひとりに寄り添い、キャリア形成を継続的に支援する枠組みとする考え方を示している。発表会では、家庭内の役割分担や対話の工夫に関するエピソードが共有され、育児と仕事の両立をめぐる論点が提示された。
併せて伊藤忠商事は、複数企業の子育て社員が参加可能な企業横断型コミュニティ「Life Design Junction!」の発足も示した。社内施策にとどまらず、企業間での交流や学び合いの場を設ける構想も含め、キャリアと子育ての両立支援を巡る取り組みを体系化する動きとなる。
実証採択と1対1支援
取り組みの規模感に関しては、「そだキャリ+」の構築が、こども家庭庁の「民間企業等と連携したライフデザイン支援事業」の実証事業として採択を受けた枠組みに位置づく点が目を引く。同庁による実証事業の枠組みのもと、伊藤忠商事を含む企業の子育て社員を対象に効果検証を実施し、受講者のスコア(4項目)が全て有意に上昇したことが確認されたという。
プログラムの中核には、育児経験のある専属「キャリアケアラー」による完全1対1のオンラインセッションを据える。加えて、希望制でグループワークやペアセッションを組み合わせる構成も示されており、相談の形式を単線化しない設計となっている。
開発面では、伊藤忠商事の第8カンパニーで開発を率いた古賀弘子氏が、6歳と4歳の子どもを育てながら本サービスの開発に従事した当事者である点も示されている。制度だけでは届きにくい個々の不安の言語化や、相談の場の不足といった領域に向き合う伴走型の支援を設計したとしている。
発表のタイミングは、3月8日の国際女性デーを前に実施された。働く親、特に女性社員のキャリア継続支援が課題として認識される中で、企業の人事施策や人的資本経営の文脈で、育児期の就業継続を支える取り組みが論点になりやすい。
提供形態と役割分担
「そだキャリ+(プラス)」は、仕事と育児を両立したい社員を対象にした企業向け個別支援プログラムとされ、社員のライフデザイン支援を目的に据える。個別支援の形としては、専属「キャリアケアラー」による完全1対1オンラインセッションを中心に、希望制でグループワークやペアセッションを組み合わせる枠組みをとっている。
継続性の示し方では、こども家庭庁の実証事業の枠組みのもとで効果検証を行った経緯が示されており、制度化に向けた段階を踏んだことがうかがえる。伊藤忠商事は「企業の人的資本経営の高度化や多様な働き方の実現に資するソリューション」として、導入企業の拡大やサービス内容の拡充を進める方針も示している。
今回の枠組みは社員のライフデザイン支援を目的に据えており、現場での適用対象や社内での利用方法がどこまで共有されるかが焦点となる。取引管理・法人営業の観点では、提供対象が「仕事と育児を両立したい社員」に置かれている点を前提に、導入対象部門や利用手続きの扱いが論点になり得る。
