SFPホールディングス株式会社は、海鮮居酒屋「磯丸水産」で、水槽から引き揚げた活貝などを目の前で焼きながら楽しめる実演スタイルを前面に打ち出し、海辺の磯料理屋の雰囲気を駅前立地で気軽に体験できる場として訴求している。店内でのライブ感ある調理を通じ、駅前立地に即した来店体験の設計を進める。
磯丸水産は、活貝を水槽から引き揚げて提供する点や、蟹味噌甲羅焼や魚介を卓上で焼きながら楽しめる点を特徴とする。店内で完結する体験に加え、丼ぶりや定食も用意し、居酒屋利用以外の食事需要も取り込む。SFPホールディングスの外食事業の中でも、海鮮を軸にした業態として、体験性と即時性を前面に出す構成だ。
全国200店超で展開
磯丸水産は、新鮮な刺し身や一品料理に加え、丼ぶりや定食もそろえる。一部店舗ではランチ販売に加え、デリバリーやテイクアウトも実施しており、時間帯や利用シーンに応じた使い分けを可能にしている。出店は首都圏・関西圏を中心に進めており、SFPホールディングスのグループとして全国で200店舗以上を展開する体制の一角を担う。
SFPホールディングスは1984年設立で、東京・吉祥寺の26坪の「居酒屋鳥良」から事業を開始した。現在は、鶏料理を主力とする「おもてなしとりよし」「鳥良商店」、町鮨業態の「とろたく」などを中心に多業態展開を進める。過去3年平均増収率42.9%、ROE(自己資本利益率)18%といった指標を示し、既存ブランドの積み上げと新業態の投入を組み合わせた成長戦略を続けている。
磯丸水産では、外食における店内体験を強化する要素として、水槽から引き揚げた活貝の提供や、魚介類を客席で焼くスタイルを採用してきた。今回の施策では、こうした提供方法を「駅前で気軽に体験できる場」として整理し直し、駅前立地を生かした来店時の体験価値を明確化した。あわせて、丼ぶりや定食、ランチ販売、デリバリー、テイクアウトを組み合わせることで、同一ブランド内で利用シーンを広げる運営を続けている。
背景には、外食各社が店頭・店内での体験設計とデジタル施策を組み合わせ、再来店や利用頻度の向上を図る動きがある。SFPホールディングスも、LINEミニアプリの導入を通じてリピート率の向上や顧客体験(CX)の向上を目指し、ブランドロイヤルティの醸成や施策効果の計測などに取り組んできた。磯丸水産でも2026年3月に、東京の飲食店を巡る「Tokyo City Pass」への参画やアプリ会員向け施策を展開しており、店内での体験訴求と会員プログラムを併走させる運用を進める。
店舗ごとに提供チャネルを最適化
磯丸水産は、実演型の店内体験に加え、一部店舗でランチ販売やデリバリー、テイクアウトを実施し、立地や客層に応じて提供形態を分けている。活貝は水槽から引き揚げたものを提供し、海鮮を中心としたライブ感のある店内オペレーションを打ち出す。
運営面では、同一ブランドでも店舗ごとに提供チャネルを分岐させる設計とし、実演型の店内体験と持ち帰り・配達などの利用形態が併存する。デジタル面では、LINEミニアプリ導入によって顧客情報を基盤とした施策運用を志向しており、会員向け施策と店舗オペレーションをどう組み合わせるかが経営上のテーマとなる。
今回の動きは、磯丸水産の実演要素を「駅前で気軽に体験できる場」として再定義し、活貝の水槽提供や目の前で焼くスタイルをブランドの中核に据えた点が特徴だ。店舗によってランチ販売やデリバリー、テイクアウトの実施有無が分かれる前提のもと、法人取引やキャンペーン展開では対象店舗や提供形態の整理が求められる。SFPホールディングスは、活貝の水槽提供と実演型オペレーションを武器に、駅前立地での差別化とリピーター獲得につなげる考えだ。
