I-PEX株式会社(京都府京都市)は、北九州市が推進する北九州エコタウン事業の環境学習拠点「北九州市エコタウンセンター」(北九州市若松区向洋町10-20)に、電気自動車のリチウムイオンバッテリーをリユース・リパーパスした蓄電池システムシリーズ「RENERATH」の「街路灯用内蔵バッテリーBOX」を納入した。リユースした太陽光パネルと組み合わせた「ダブルリユースLED照明」として運用する。停電時の電源確保と資源循環の学習を同時に扱う狙いがある。
「バッテリーBOX」は、蓄電池としてリユースしたEVバッテリーを用いる点が特徴になる。北九州市では、リユース太陽光パネルを搭載した「非常用電源兼街路灯」として設置し、太陽光パネルで発電した電力を「バッテリーBOX」に蓄電して夜間点灯の電源に充てる。北九州市エコタウンセンターでは、既設の街路灯を活かしながら電源部をアップデートする方式をとった。
脱炭素先行地域の一環
今回の取り組みは、北九州市および連携17市町で推進している環境省の脱炭素先行地域事業の取り組みの一環として実施される。「ダブルリユースLED照明」は2月7日に開催された「2026ウィンターフェスティバル」でお披露目され、会場ではI-PEXの「バッテリーBOX」やリユース太陽光パネルを題材に、資源循環と再生可能エネルギーの活用、停電時の電源確保の観点から来場者向けの説明が行われた。
I-PEXは2024年より、EVバッテリーをリユース・リパーパスした蓄電池システムシリーズ「RENERATH」を通じて、蓄電池によるエネルギー活用とEVバッテリー活用による資源循環を両立する事業を展開してきた。北九州市は、太陽光パネルのリユース・リサイクルを官民一体で進める全国初のモデル「北九州トライアングルモデル」を構築するなど、再生可能エネルギーの導入や資源循環の課題解決に取り組んでいる。
背景には、「RENERATH」におけるEVバッテリーをリユース・リパーパスするコンセプトが、北九州市が環境や防災の啓発活動の一環として社会実装を実現する取り組みと合致した点がある。環境学習拠点での設置により、EVバッテリーのリユース・リパーパスが資源循環や環境に与える効果に加えて、非常用電源による災害時のレジリエンスや防災の取り組みを同時に学べる教材としての活用が想定されている。
取り外し型で非常用電源
北九州市の「ダブルリユースLED照明」は、太陽光パネルで発電した電力を「バッテリーBOX」に蓄電し、夜間に点灯するための電源として利用する形をとっている。災害などによる停電時には、「バッテリーBOX」を取り外して非常用電源として活用することが想定されている。
「RENERATH」では「オフグリッド型 ソーラー街路灯」を展開し、外部電源なしでソーラーパネルからの再生可能エネルギーだけで稼働する運用を想定している。LED街路灯としての機能に加え、停電時に内蔵の「バッテリーBOX」を取り外して持ち運び可能な蓄電池として活用できる機能を備える。また、防犯カメラや各種センサなどのオプション機能を搭載したスマートポールとしての運用も可能だとしている。
I-PEXは今後、「北九州市エコタウンセンター」での環境・防災啓発への協力を継続するとともに、北九州市をはじめとする九州各地の自治体や教育施設などを中心に「RENERATH」による事業展開を進めていく方針を示している。取引や導入の実務では、既設街路灯を活かし電源部を更新する方式である点と、停電時に取り外して非常用電源として活用する想定である点が、運用設計上の論点になりうる。
