稲とアガベ株式会社(秋田県男鹿市)は、3月2日から5日まで開催されていた「Industry Co-Creation (ICC) サミット FUKUOKA 2026」で、プレゼンテーション企画「CATAPULT GRAND PRIX(カタパルト・グランプリ)」に登壇し、2位に入賞した。代表取締役が壇上で発表した。これにより、同社が掲げる「日本酒とクラフトサケ」を軸にした取り組みが、経営者・リーダーが集う場で共有される形となった。
登壇テーマは「酒づくりは、2000年先の文化を創る挑戦」。岡住は「まちづくり屋ではなく、醸造家として」壇上に立ったとし、秋田県男鹿市のシャッター街で創業からわずか4年で9つの拠点を立ち上げ、年間5万人以上の来訪者(当初比200倍)を呼び込んだ実績を振り返った。発表では、既存の規制緩和(日本酒特区)への挑戦や、地域経済を循環させる具体的なビジネスモデルに触れ、「一人の人生でも、死ぬ気であれば聖地は作れる」というメッセージを示した。稲とアガベは、酒づくりを起点とした事業展開を説明する機会として同セッションに臨んだ形だ。
年間5万人来訪を提示
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」をコンセプトに掲げるビジネスカンファレンスで、毎回500名以上の登壇者と1,200名以上の経営者・リーダーが参加するとされる。今回の登壇では、稲とアガベが男鹿市で「創業からわずか4年で9つの拠点」を立ち上げ、「年間5万人以上の来訪者(当初比200倍)」を呼び込んだ点を実績として挙げた。輸出先は10カ国以上に拡大しているとも説明した。
プレゼンの中で稲とアガベは、「クラフトサケ」という新ジャンルの確立を掲げた。日本酒の製造技術をベースに、副原料(ホップ、ハーブ、果実等)を加えた「その他の醸造酒」免許を活用することで、30件以上の新規参入を牽引したとしている。プロダクト面では、ミシュラン星付きレストランや「World's Best Bars」に採用されるなどの事例にも触れた。
経緯としては、日本酒造りに関する制度面での挑戦も示した。自社だけでなく、次世代が自由に日本酒造りに挑戦できる「日本酒特区」の新設に向け、内閣府の規制緩和ワーキンググループ発足に寄与したとしている。会場の審査員からは、規制緩和への挑戦や地域経済の循環モデル、メッセージ性が評価と共感を呼んだ結果、2位入賞につながったという。
運営は登壇と拠点群
登壇の場となった「CATAPULT GRAND PRIX」は、ICCサミットを象徴するプレゼンテーション・セッション「カタパルト」の中でも、過去の入賞者や勢いのある急成長企業などが集う最高峰のステージとされる。稲とアガベは、この枠組みの中で事業モデルや社会的インパクト、情熱を競い合う形式で発表した。優勝には届かなかったとしている一方で、2位入賞という結果を得た。
稲とアガベの事業運営は、クラフトサケ醸造所を起点とした拠点展開を伴う形をとっている。創業から数年で、レストラン、食品加工所、ラーメン店に加え、サウナ付きホテル「ホテルかぜまちみなと」「ひるね」、スピリッツを製造する「早苗饗蒸留所」、人々が集うスナック「シーガール」を開業したとしている。酒類製造業(クラフトサケ及び輸出用清酒)に加え、飲食店営業、食品加工業、宿泊業も事業内容に含める。
制度面では、既存の日本酒製造免許の壁を越える手段として「その他の醸造酒」免許の活用を挙げた一方、日本酒特区の新設に向けた動きにも触れている。
今後の注目点は、稲とアガベが示した「日本酒特区」新設に向けた取り組みと、男鹿市での拠点群を含む事業モデルの説明が、ICCの場で共有されたことにある。今回の登壇は、稲とアガベが酒づくりを軸にした事業展開を説明し、2位に入賞した出来事として整理できる。
