株式会社IMOM(愛知県名古屋市)が代表取締役の異動を実施した。取締役CFOの若山純氏が代表取締役社長に昇格した。創業者の松田雄基氏は代表取締役会長に就任し、企業理念の発信や将来構想に専念する方針だ。若山氏の体制で「福祉と飲食を軸にした持続的成長」に向けた第二創業期を進める。
新体制への移行は、創業から9年を経たIMOMが事業の多角化と上場準備を進める段階に入り、経営と理念の役割を分離する必要があると判断したためだ。若山氏は経営管理と財務基盤の整備を担ってきたCFOであり、事業を指揮する実務の中核を引き受ける。松田氏は長期的視点で理念を磨き、社会的存在としてのブランド価値を高める役割を担う。
若山新社長の就任と組織体制
新社長に就く若山氏は大学在学中に起業経験を持ち、2022年のIMOM参画後は財務や内部統制の整備を主導した。CFOとして監査法人対応や上場準備体制を築き、次世代経営の実務基盤を整えた人物だ。今回の社長就任により、松田氏が築いた理念のもとで経営意思決定と実行力を持つ体制を明確化する。
新体制では、経営と理念の役割を分けて業務領域を再編し、組織強化を進める。松田氏は会長として渉外や長期ビジョン構築を担い、若山氏が日々の経営を指揮する二頭体制が整備される。これにより、成長フェーズに対応したガバナンスの強化と意思決定の迅速化を狙う。
事業と成長方針
IMOMは2016年の設立以来、「誰もが生きやすい、寛容な社会をつくる」を理念に、就労継続支援B型事業所を中心とした福祉事業と飲食事業を両輪として展開してきた。現在はIMOM COFFEEなどの店舗運営やEC、コンサルティングにも事業を広げ、就労支援から雇用創出までを一貫して担う体制を築いている。
若山氏は就任にあたり、創業者の理念を継承しながら事業を時代に合わせて進化させる姿勢を明示した。就労支援事業では利用者を「コワーカー」と位置づけ、支援対象としてではなく働く仲間として尊重する方針を掲げる。福祉と飲食という異なる領域を連動させ、働く充実感を社会に広げる事業展開を継続する。
名古屋発ソーシャルビジネスの展開
松田氏は引き続き名古屋を拠点に企業理念の普及や行政・他企業との渉外活動を担う。名古屋から全国へ価値を広げる基盤づくりを進め、福祉と飲食の両事業を通じた「生きやすさの実現」を重視する。会長職として組織の価値基準やブランド哲学を長期的に維持する役割を強める。
外部要因では、国内の福祉業界で民間主導の就労支援が広がる中、収益性と社会性の両立を図る動きが進んでいる。IMOMもこの潮流の中で、営利法人としての持続可能な福祉モデルを模索する立場にある。飲食事業を通じた地域雇用の創出や、障害者就労の多様な形を提案する企業として注目を集めつつある。
今回の経営交代により、IMOMは事業成長フェーズに即したガバナンスを明確化し、上場に対応可能な体制を整える。福祉×飲食という独自の事業モデルを持つ企業として、理念の継承と組織の持続性をどう両立させるかが注目される。
今後は、新社長のもとで事業基盤拡充と次世代経営体制の定着に向けた動きが焦点となるだろう。