不動産業務クラウドを手がける株式会社いい生活(東京都港区)は、株式会社川商ハウス(鹿児島県鹿児島市)にクラウド型の賃貸管理システム「いい生活賃貸管理クラウド」を提供し、2026年1月から稼働を開始した。川商ハウスは鹿児島県内で約2万2,000戸を管理しており、地域密着型の不動産管理業務にクラウドサービスを導入する動きとなる。
川商ハウスは、従来自社開発システムで賃貸管理を行ってきたが、自社保守による負担やセキュリティ対策、事業継続性確保が課題となっていた。こうした状況を背景に、いい生活のクラウド型システムを基幹業務に採用した。今回のクラウド導入は、自社開発方式から共通基盤型SaaSへの移行による業務効率化とシステム安定運用を目的としている。
鹿児島県内2万2,000戸の管理で活用
川商ハウスは県内に5拠点を構え、約2万2,000戸の賃貸物件管理を行う。今回導入された「いい生活賃貸管理クラウド」は、物件情報や契約・入出金処理などの一元管理を可能にする仕組みで、法改正への即時対応機能も備えている。クラウド経由で仲介会社との情報共有が円滑になり、従来紙やエクセルで行っていた管理業務をデジタル化する形となった。
いい生活は不動産市場向けSaaSの提供企業として、全国の不動産事業者に対しサブスクリプション形式でサービスを展開している。2025年3月期には売上高が3,028百万円、サブスクリプション顧客数は1,549法人(前年同期1,505法人)となった。
セキュリティ認証と運用体制を明示
いい生活は、顧客データ保全のためISO/IEC 27001(ISMS)、ISO/IEC 27017(ISMS-CLS)、ISO/IEC 20000(ITSMS)の3つの国際認証を取得し、ゼロトラストとクラウドネイティブによる構造的セキュリティアーキテクチャを採用している。このシステムは、自社が開発・提供し、クラウド経由で運用される体制となっている。
今回の導入は単発ではなく、今後のクラウド活用拡大を前提にした取り組みであるとされる。同社は「いい生活賃貸クラウド」や「いい生活売買クラウドOne」など関連SaaSの利用も進めており、業務間の一体運用が段階的に整備されつつある。
今後の運用では、法改正対応を含むシステム更新をいい生活側が継続的に実施する方針で、導入企業は常時最新仕様を利用する方式を取る。これにより、不動産業務のデジタル基盤整備におけるBCP確保が重要な焦点となる。