株式会社Integral Geometry Science(IGS)は、電機・家電メーカーなど蓄電池を搭載する製品メーカー向けに、蓄電池の発火や寿命低下の要因となる電流異常を組み込み前に検査する「蓄電池組み込み前 一括画像検査サービス」を17日に提供開始する。17日~19日に東京ビッグサイトで開く「第20回 BATTERY JAPAN 二次電池展」には、本サービスで使用する検査装置を展示する。これにより、メーカー側は設備投資を伴わずに品質確認の運用を組み立てやすくなる。
新サービスは、IGSが開発した「蓄電池非破壊画像診断システム」を用い、電池内部の電流異常箇所を非破壊で可視化する。複数の蓄電池を同時に計測できる検査方式を採用し、多数の電池を一度に検査する枠組みとした。対象は電機・家電メーカーなどで、蓄電池を搭載した製品の開発・製造に関わる企業を想定し、電気自動車(EV)向け大型電池からスマートフォンサイズなどの小型電池まで対応するとしている。
消防庁調査で火災増
リチウムイオン電池に起因する発火・発煙事故は年々増加している。消防庁の調査では、リチウムイオン電池による火災件数は2022年の約600件から2024年に約1,000件へ増加し、2025年は半年で550件と前年を上回るペースで増えている。2023年の製品用途別の火災状況では、モバイルバッテリーをはじめ、スマートフォン、電動アシスト付自転車、コードレス掃除機、電動工具、タブレット、玩具製品などで火災発生が報告されている。
IGSは、蓄電池の品質管理と安全性確保が課題となる状況を踏まえ、電池を製品に組み込む前段階での検査手法を打ち出した。メーカー側には、製造・調達した大量の電池に不良品が混在するリスクがある一方、検査設備が高額で検査コストが高いことや、電池内部の異常を検出しにくいこと、大量電池の品質確認が容易ではないことが挙げられているという。
検査内容は、蓄電池内部の電流異常を非破壊で可視化し、発火リスクにつながる内部異常の有無や電池の寿命など、複数の項目を評価する枠組みとした。評価項目は要望に応じてカスタマイズが可能としている。
同時計測で一括検査
IGSは「第20回 BATTERY JAPAN 二次電池展」の南3ホール(ブース番号S28-24)で、全数検査用の「蓄電池非破壊画像診断システム」のデモ機を展示する。会期は17日~19日で、時間は10:00~17:00としている。
セミナーは19日14:30~15:00に、東京ビッグサイト南4-Gの次世代電池セミナー会場で予定する。講演者は神戸大学 数理・データサイエンスセンター教授で、IGS代表取締役の木村建次郎が務め、蓄電池搭載製品メーカー向けの「蓄電池組み込み前 一括画像検査サービス」および「蓄電池非破壊画像診断システム」について発表する。
システムの説明としてIGSは、電池内部の電流密度分布の可視化、非破壊検査、良品電池内部の電流ムラの非破壊での映像化、出荷前の電池の全数検査の実現を挙げている。従来の検査では抜き取り検査が一般的だとし、同システムの導入により高い精度での全数検査が可能になるとしている。
