株式会社iCARE(東京都品川区)は、健康管理ソリューションサービス「Carely(ケアリィ)」の導入企業のうち、180社以上が「健康経営優良法人2026」に認定されたと明らかにした。東京証券取引所の上場会社の中から選定される「健康経営銘柄」にも、Carely導入企業から5社が選ばれた。企業の健康施策の運用設計や実務の効率化に影響を与える動きとなる可能性がある。
iCAREは、企業ごとに異なる健康経営の推進課題に対応するため、専門知識を持つスタッフが企業の健康状態を分析し、「Carely」のクラウドシステムと社内外の専門人材を組み合わせて支援している。現状把握、課題整理、取り組みの実行、効果検証までを一連のプロセスとして伴走し、法人向けの産業保健・健康経営ソリューションを提供してきた。今回の認定は、導入企業の取り組みが制度上の評価につながった事例の蓄積と位置づけられる。
認定は計2万6850法人
健康経営優良法人認定制度は、健康経営に取り組む企業を「見える化」し、社会的な評価を受けやすくすることを目的に、2016年度に経済産業省が創設した。認定は経済産業省と日本健康会議が共同で進めており、2026年度の認定結果は3月に公表された。2026年度は大規模法人部門で3,765法人、中小規模法人部門で2万3,085法人が認定され、合計2万6,850法人となった。大規模法人部門は前年度の3,400法人から、また中小規模法人部門は1万9,796法人から増加しており、認定企業数は年々拡大している。
この枠組みの中で、Carely導入企業のうち180社以上が健康経営優良法人2026に認定された。加えて、東京証券取引所の上場会社の中から特に優れた健康経営企業を選ぶ「健康経営銘柄」でも、Carely導入企業から5社が選定された。健康経営銘柄は上場企業群を対象にした選定である点が特徴で、iCAREは導入企業が到達した制度上の成果として位置づけている。
制度上は、大規模法人部門の上位企業に「ホワイト500」、中小規模法人部門の上位企業に「ブライト500」、さらに501〜1,500位の企業に「ネクストブライト1000」の冠を付与する区分がある。個別企業の動きでは、オリンパス株式会社が健康経営優良法人2026〜ホワイト500〜に10年連続で認定されたほか、TOYO TIRE株式会社も健康経営優良法人2026(ホワイト500)に2年連続で認定されるなど、上位区分を含む認定の公表が相次いでいる。
専門人材とクラウド連携
Carelyは、人事労務の効率化ツールとしての機能にとどまらず、健康データを基にした課題抽出、分析、施策立案から運用支援までを一気通貫で提供することをうたう。iCAREは、クラウドシステムと産業医・保健師などの専門人材を組み合わせた運用を骨格とし、企業内の実務設計に合わせて伴走する体制を整えている。2011年6月設立で、現役産業医の山田洋太氏が創業した。
支援内容は、健診結果やストレスチェック、長時間労働などのデータを整理し、リスクの高い部門や職種を特定したうえで、面談や職場環境の改善、予防施策の導入といった具体的な対策につなげるプロセスを含む。健康施策の実行後は、再度データを収集・分析し、効果検証を行うことで、継続的な改善サイクルの構築を狙う。クラウド上で情報を一元管理することで、人事部門の事務負担を軽減しながら、経営層への報告資料作成や社外への情報開示にも活用しやすい仕組みとした。
健康経営優良法人の認定が過去最多水準に広がるなか、企業側では自社の健康施策を制度の要件に沿って整備し、投資家や取引先、採用市場などに対する説明材料として活用する動きが強まっている。日本健康会議による部門別の階層区分(ホワイト500、ブライト500、ネクストブライト1000)は、企業にとって取り組みの水準を示す指標となり、上位区分を目指した継続的な施策の実行を促す性格を持つ。
iCAREは、Carelyを通じて健康経営の推進プロセスを標準化しつつ、各社の産業構造や人員構成、職場環境に応じた個別設計を行うことで、認定取得後も継続的に健康指標を改善していく運用を想定する。導入企業の認定社数が前年から増加したことは、制度対応をきっかけとした一過性の取り組みにとどまらず、健康経営を中長期的な経営課題として組み込む企業が増えていることをうかがわせる。
