株式会社エイチ・アイ・エス(東京都港区)は、一般社団法人おんたけウェルネスラボ(長野県木曽郡)、株式会社フィナンシェ(東京都渋谷区)、株式会社WAFUKU Labs(東京都港区)と連携し、「第2のふるさとプロジェクト」を発足した。長野県木曽町の開田高原を舞台に、共創型コミュニティ「木曽馬みらいラボ」をコミュニティプラットフォーム「FiNANCiE」上で公開した。
HISはこれまで地域とのネットワークを活かして観光事業を展開してきた。今回は、フィナンシェが提供するオンラインコミュニティ機能と組み合わせ、地域における「関係人口」の創出を目的とする。同プロジェクトでは、地域の日常や活動を継続的に発信し、従来の観光から継続的な関係形成に移行する試みを示している。
HISが木曽町で新コミュニティ始動
木曽町開田高原は日本在来馬「木曽馬」の里として知られる地域で、HIS、フィナンシェ、WAFUKU Labsの3社が協働し、現地法人おんたけウェルネスラボとともにコミュニティを運営する。コミュニティの公開と同時に、地域との関係の証と位置付けるデジタルアイテム「木曽馬みらいトークン」を発行し、ファンディングを開始した。トークン保有者には地元スキー場の町民割引や地域野菜の提供などの特典が用意されている。
木曽馬を象徴とする地域資源を核に、HISが地域連携型の事業展開に踏み出した形となる。従来の旅行ビジネスに加え、地域との共創による持続的な交流の枠組みづくりに関わる取り組みと言える。
「木曽馬みらいトークン」は、スマートフォンを通じて地域との結びつきを可視化する設計を採っている。トークン保有数量に応じた段階的な特典を設ける仕組みで、地域住民や訪問者が継続的に関わる形式を採る。発行は「FiNANCiE」プラットフォーム上で行われ、利用者はオンライン上で地域活動に参加できる。
HISはこれまでも観光ファンド設立や「ふるさと納税」サイトの開設など、地域社会との関わりを広げてきた。今回の「第2のふるさとプロジェクト」は、その流れを踏まえた新たな地域参画の一環とみられる。
地域連携と運営体制の構築
現地運営はおんたけウェルネスラボが担い、HISが全国的な発信や参加者の呼び込みを支援する構造をとる。WAFUKU Labsはデジタル側の支援を行い、フィナンシェがコミュニティ基盤を提供する。各社の役割が明確に分かれた連携体制を採る点が特徴だ。
販売や提供に関しては、「木曽馬みらいトークン」がオンライン上での発行を前提とし、数量や再販に関する明示はされていない。現地交流は現地法人が企画し、トークン保有者が木曽馬との交流に参加できる仕組みを設定している。
今回の取り組みは単発企画ではなく、「第2のふるさとプロジェクト」全体に位置付けられた第1弾事例とされる。今後の各地域展開について具体的な計画の明示はないが、HISは複数の地域で応用可能な枠組み整備を進めていることを示している。
トークンを用いた地域参画モデルは、観光地と来訪者が持続的に結びつく仕組みとして注目点が多い。HISは地域と人が自然に関わり続ける体制づくりを進める姿勢を示しており、他地域での活用にも発展可能性がある形式を採用している。