HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市)は3月10日、メモリハイロガーLR8450およびLR8450-01向けのサーミスターモジュール「U8557」とワイヤレスサーミスターモジュール「LR8537」を発売した。自動車、産業機器、エネルギー分野で高まる高速・多点(多チャネル)の温度測定ニーズに応えるために開発した。
U8557とLR8537は、サーミスターと抵抗測定に対応した15チャネル入力の測定モジュールで、最速50msのデータ更新間隔と16bit A/Dの高分解能を両立するとしている。日置電機は、サーミスターの抵抗値―温度特性をLR8450またはLR8450-01に登録し、測定した抵抗値を温度へリアルタイムに換算して記録できる点も特徴に挙げた。複数の特性式を設定でき、メーカーを問わず市場に流通するさまざまなタイプのサーミスターを用いた測定に対応する方針だ。
最大165チャネル同時測定
拡張時は、直結型のU8557をLR8450シリーズに4台接続することで最大60チャネルの多点測定を可能にするとした。ワイヤレス型のLR8537は、LR8450-01と組み合わせて最大165チャネルの多点測定を、いずれも50msの高速周期で同時に実行できるとしている。抵抗測定は最大220kΩまでに対応し、測定レンジは2000Ω/20kΩ/200kΩを示した。
バッテリーの充放電と温度を管理するバッテリーマネジメントシステム(BMS)の更新周期に同期したデータ取得を実現し、BMSの設計検証における温度挙動解析に用いるとしている。
端子台は押しボタン式を採用し、配線作業の簡便性と確実性をうたう。用途として、BEV/HEVバッテリー評価の温度分布解析や充放電時の温度変動解析、BMS検証、モーター/インバーター評価の内部温度監視・耐久試験、多点温度測定での過渡的な熱挙動の可視化、配線困難環境でのワイヤレス温度計測(LR8537)を挙げた。
また、熱電対モジュールなど他のLR8450シリーズ用モジュールと混在して使用できるとしており、異なる温度センサー方式を一つのシステムに統合する運用を想定している。
U8557とLR8537発売
開発の経緯では、サーミスターが自動車や家電、産業機器など幅広い分野で使われる温度センサーである点を踏まえた。日置電機は、自動車業界でBEVやHEVの普及に伴い、高効率化・高出力化・安全性向上に向けた熱マネジメントが開発テーマになっているとし、バッテリーやモーターの温度管理・冷却性能の評価で、システムや試作機に設置されたサーミスターを活用した温度挙動評価の重要性が増していると説明した。
従来手法では、多チャネル測定時の配線作業が煩雑であることに加え、測定速度やデータ処理の負担が課題になっていたという。日置電機は、これらの課題を解決するため、高速かつ多チャネルでのサーミスター測定を可能にする新しいモジュールの開発に至ったとしている。
U8557はLR8450、LR8450-01用の直結型で、ベンチ据え置きやラックマウントなど安定した試験環境での利用を想定する。LR8537はLR8450-01用の無線LAN接続モジュールで、ワイヤレス通信によるデータ転送に加え、AC電源またはバッテリー駆動に対応するとした。
