ハイレックスコーポレーションは6日、2026年10月期第1四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比36.2%増の1,055.71億円となり、新規連結したアクトグループに加え、米州・欧州の既存事業が牽引した。負ののれん発生益の計上もあり、親会社株主に帰属する四半期純利益は333.55億円と大きく伸びた。
営業利益は前年同期比12.3%減の11.89億円だった。米州の関税回収遅延や、メキシコでの半導体供給問題に伴う一部顧客工場の停止で人員が過剰となり、収益を圧迫した。一方で、アクトグループの取得に伴う負ののれん発生益268.37億円や投資有価証券売却益を特別利益として計上したことが、純利益を押し上げた。
売上高1055.71億円
第1四半期の経常利益は前年同期比37.7%増の24.31億円となった。純利益の急増は、事業規模拡大による売上増に特別利益が重なったことが主因となっている。
地域別では、米州での関税回収の問題が解消に向かい、メキシコを中心とした半導体不足に起因する工場停止の混乱も収束しつつある。もっとも、関税回収の遅延や工場停止に伴う人員過多は第1四半期の収益を押し下げた。こうした外部要因を踏まえ、ハイレックスコーポレーションは構造改革を加速し、米国とスペインで各1拠点を閉鎖するなど、生産体制の最適化を進めている。
通期の連結業績予想は、売上高が前期比31.9%増の4,010.00億円、営業利益が同59.2%増の54.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が368.50億円。特別利益の反映を織り込み、経常利益と純利益を上方修正した。第1四半期はアクトグループの新規連結が売上高の伸びに寄与する一方、特別利益の計上により利益水準が大きく変動した。
統合後の事業面では、部門横断型のチームを立ち上げた。ハイレックスコーポレーションの既存技術とアクト社のラッチ技術を融合し、ECU(電子制御ユニット)技術を組み合わせることで、ドアクロージャーシステムの世界トップサプライヤーを目指す。製品・技術の組み合わせを軸とした統合戦略が本格的に動き出している。
アクトグループの取り込みは、売上規模の拡大だけでなく、統合シナジーの創出にもつながる。スケールメリットを活かした共同購買を進めるほか、既存設備を活用した内製化率の向上を通じた原価改善に取り組む。調達から生産までの一体運営により、利益率の底上げを図る狙いだ。
一方で、米州での関税回収遅延や、メキシコでの半導体供給問題に起因する一部顧客工場の停止といった外部要因は、現地オペレーションや採算に影響を与えてきた。現在は、関税回収の正常化と工場稼働の回復が進むなかで、生産拠点の閉鎖を含む最適化を継続している。統合による調達・原価面の施策と、既存事業の構造改革を同時並行で進める構図となっている。
共同購買と拠点閉鎖
運用面では、グローバル調達での価格交渉力を高めるため、ハイレックスコーポレーションとアクトグループの共同購買を推進している。原材料・部品の調達を一元化し、ボリュームディスカウントの最大化を図る。あわせて、既存設備を活用した内製化率向上によって、サプライチェーン全体のコスト競争力を引き上げる方針だ。
生産体制では、米国とスペインで各1拠点を閉鎖するなど、拠点配置の見直しを進めている。需要水準や稼働率を踏まえた人員配置の適正化を行い、地域ごとの収益性改善を急ぐ。米州での関税回収遅延やメキシコでの工場停止に伴う人員過多は、第1四半期の営業利益を押し下げたが、拠点統廃合と生産移管により固定費負担の軽減を図る。
技術・商品面では、部門横断型チームを軸に、既存のケーブル技術とアクト社のラッチ技術、ECU技術の融合を進めている。車両の電子制御化・電動化が進むなかで、メカと電子を組み合わせたシステム提案力を高め、自動車メーカー向けのサプライヤーとして競争力を強化する。技術開発と購買・原価の一体運営を通じ、統合効果を段階的に収益へ反映させていく。
第1四半期の純利益は負ののれん発生益の計上によって一時的に押し上げられており、本業の収益力を測るうえでは営業利益や経常利益の動向を見極める必要がある。通期では特別利益を織り込みつつも、共同購買や内製化率向上、生産拠点の再編などの施策を通じて、構造的な収益体質の強化が問われる局面となる。
