ハチ食品株式会社(大阪府大阪市)は2月18日、「ハチ食品 2026年春夏向け新商品発表会」を開き、2026年春夏の新商品群を公表した。発売は3月2日を予定し、レトルトカレーやパスタソース、フリーズドライスープなどが対象となる。家庭内で“専門店品質”や時短志向が高まるなか、商品の選択肢を広げる動きとなる。
発表の中核は、創業180年の技術を前面に出した新作レトルトカレー「THE HACHI 国産和牛と淡路島産玉ねぎのビーフカレー」や、旅行情報誌『るるぶ』とのコラボ「るるぶ×HACHIコラボシリーズ」の拡充、仙台の洋食店「レストランHACHI」監修の「レストランHACHIのナポリタンソース」発売だ。ハチ食品は家庭向け商品の投入に加え、外食店での提供からレトルト化へとつなぐ取り組みも進め、家庭内需要の取り込みを狙う位置づけとなる。
ハチ食品が春夏新商品群
発表会にはハチ食品の代表取締役社長・高橋慎一氏、事業企画部部長・横田尚史氏が登壇した。
さらに、協業先として株式会社JTBパブリッシングのマネージャー勇上香織氏、株式会社オールスパイス(レストランHACHI)代表取締役会長の角田秀晴氏も登壇し、各企画の狙いを説明した。高橋氏は創業180年の歩みを振り返り、近年は10年連続で業績を拡大していると述べ、伝統と革新を両立した商品開発を進めているとした。
横田氏は「2026年春夏向け新商品」の内容を説明した。
国産初のカレー粉を販売した経緯を踏まえ、カレー領域へのこだわりを継続する姿勢を示したうえで、創業180年の歴史と技術を結集した商品として「THE HACHI 国産和牛と淡路島産玉ねぎのビーフカレー」を挙げた。自家製の「カレールウ」と「カレー粉」を用い、特製フォンドボーペーストでコクを付けたソースに国産和牛と淡路島産ソテーオニオンを加えて仕上げたという。
るるぶ×HACHIが17種へ
旅行情報誌『るるぶ』とのコラボ「るるぶ×HACHIコラボシリーズ」は、新たに3品を追加し全17種類に拡大する。既存商品の「沖縄 キーマカレー タコライス風」もリニューアルする。
横田氏は、2024年度に累計100万食を突破し、2025年度は125万食を見込み、2026年度は150万食を目標に掲げると説明した。シリーズ拡充は、家庭内での簡便性ニーズを捉えた商品群の厚みを増す取り組みとなる。
協業するJTBパブリッシングの勇上氏は、ご当地食材の提案や『るるぶ』らしい観光名所を想起させるデザインにこだわったとし、今後もシリーズを拡充していきたいと述べた。
食品メーカーと旅行情報媒体の連携は、商品そのものの味づくりに加え、企画設計やパッケージ表現を通じて訴求点を整理する役割分担が見えやすい。小売や法人調達の現場では、SKU増加に伴う棚割りや供給の安定性が運用面の注目点となる。
レストランHACHI第2弾
仙台市を中心に展開する洋食店「レストランHACHI」(運営:株式会社オールスパイス)とのコラボレーションでは、第2弾として「レストランHACHIのナポリタンソース」を3月2日に発売する。
レストランHACHIは1979年に宮城県名取市で創業し、現在は仙台・名取を中心に6店舗を展開する。人気メニュー「ハンバーグナポリタン」は、2013年の「カゴメ ナポリタンスタジアム®」でグランプリを獲得しており、3万人の来場者による実食投票で「ケチャップだけに頼らないフレッシュなトマトの爽やかな酸味のソースが繰り返し食べたくなる」と評価されたという。
両社の協業は「HACHI」という共通の名前をきっかけに進んだ。ハチ食品の高橋氏が仙台出張の際にレストランHACHIを訪れ、味づくりに魅了されたことなどを経て、2024年に両代表の出会いが実現し、2025年10月16日に調印式を行い正式にコラボレーションが始動した。
今回のレトルト発売に先立ち、協業は三段階で設計しており、第一弾として2025年11月1日から2026年2月28日までレストランHACHI店舗でハチ食品の「蜂カレー」を提供してきた。第二弾が今回のレトルト発売、第三弾として2026年3月に大阪(3/17)・東京(3/26)・仙台(3/30)の3都市で合計約1万個の配布イベントを予定する。
3月2日発売と体制整理
3月2日には、上記の新作に加え、「赤からカレールウ」や『自慢のパスタ』シリーズの新商品3種、『フリーズドライスープ』のリニューアル新商品3種なども発売する。
発表会にはスペシャルゲストとして若槻千夏氏が登場し、試食を交えながらレトルトの活用や時短志向について語った。試食対象となった「THE HACHI 國産和牛と淡路島産玉ねぎのビーフカレー」について若槻氏は、家庭で食べられる点に触れつつ「本当にお店の味」と述べたほか、「レストランHACHIのナポリタンソース」についても、店の味が家庭で食べられることに言及した。
今後の注目点は、取り組みが単発ではなく、店舗提供(2025年11月1日~2026年2月28日)からレトルト発売(2026年3月2日)へ連結し、さらに3都市での施策(2026年3月)へと段階的に設計されている点だ。
法人の取引実務では、製造主体がハチ食品である一方、監修・企画の役割にレストランHACHIやJTBパブリッシングが関与するため、商品供給と企画運営の責任分界がどこに置かれるかが、運用上の論点として残る。
