ネイチャーベースのカーボンクレジット創出・販売事業を展開するGreen Carbon株式会社(東京都千代田区)は、株式会社八芳園ホールディングス(東京都港区)と資本業務提携を結んだ。出資は、両社がこれまで培ってきた地域協働の仕組みを発展させ、日本各地の森林・農業・文化資源の価値を次世代につなぐ「地域価値共創モデル」の構築を目的としている。
Green Carbonは農業や森林、畜産など自然資本を基盤とするカーボンクレジット創出と地域GX支援を行っており、自然が持つ環境価値を可視化し地域経済に還元する仕組みを全国で進めてきた。八芳園ホールディングスは白金台の日本庭園を中心に土地・施設の管理を担い、鳥取県智頭町などで社有林保全を継続している。出資は、鳥取県での協働をさらに拡張し、地域課題の解決と文化・自然資本を結び付けた価値創出を狙うものだ。
鳥取県で340haの森林管理を展開
両社はすでに約340haの社有林を対象に「森林管理プロジェクト」を共同で推進している。この森でGreen Carbonが吸収量算定やJクレジット登録支援を担い、制度上の正式登録と初年度分のクレジット発行が完了した。認証期間は2023年4月から2039年3月までとされている。今回の提携はこの共同事業を全国展開する契機となる。
八芳園ホールディングスの保有森林を活用し、企業協働型の森林保全スキームの構築を検討。ESG研修や地域交流、自然体験などの教育・地域連携プログラムも共同で開発する見通しだ。
協働拡大の基盤づくり
八芳園ホールディングスは創業者の出身地である鳥取県との結び付きが強く、地元森林組合との協働を長年続けてきた。Green Carbonも各地で自然由来クレジット創出を展開しており、両社の協働は「森林保全の価値を可視化し、地域に還元する」モデルとされている。背景には、地域資源を通じた環境価値と経済価値の両立を目指す動きがある。
同社は水田やバイオ炭、森林保全などで国内外にプロジェクトを広げており、水田では2023年度に約6,220トンのJクレジット認証を取得。申請から販売まで一体化したプラットフォーム「Agreen」を展開している。
今回の協働を通じ、両社は森林クレジットを軸とした企業連携や、文化資産と結び付けた商品開発を計画している。数量や販売期間などの詳細は明示されていないが、既に鳥取県での認証実績を基に共同スキームの運用を進める構成となる。
森林保全や自然資源活用に関わる第三者との役割分担も整理されており、Green Carbonがデータ算定や認証支援を担い、八芳園ホールディングスが地域森林の保有・管理を引き続き行う形をとる。両社による新たな取組みは、環境・文化・地域の3要素を連動させる協働基盤の形成を目指すものだ。
今後は、鳥取県での森林協働を起点とした全国展開を視野に、企業や自治体との共同による森林・文化・農業を結ぶ企画運営の整備を進める方針だ。