ジオファーム株式会社(東京都渋谷区)は2020年3月、地盤補強工法「ジオクロス・ユビファ工法(技術名称:ジオナクロス・ユビファエ法)」について、GBRC 性能証明(GBRC性能証明 第15-03号 改2)の建築技術性能証明書を取得した。べた基礎下の砕石層に織布(商品名:ユビファシート)を設け、砕石とシートの複合構造で砕石層のせん断強度を高め、支持力を増加させる工法だ。
同工法は、べた基礎下に設ける砕石層中へ織布を配置し、砕石とシートの複合構造をつくる点を特徴とする。セメント系固化材や杭状地盤補強材などを使用せず、騒音、振動および粉塵などを発生させずに施工できるとしている。ジオファームは、戸建て住宅等の建築時に地盤補強が必要となる場合に、建物規模に対して地盤補強工事が過大となる場合がある点を踏まえ、これらの課題を解消する目的で開発した工法としている。
累計100件超を更新
ジオファームが2015年4月22日に初取得した同番号の証明を、改定の形で更新した枠組みになる。改定の経緯では、2018年4月3日の改定1でビニロン製織布(クラレ製)を追加し、引張強度の向上を図った。2020年3月12日の改定2では、砂質地盤の適用を追加し、対象地盤を拡張した。更新資料では、施工実績として戸建住宅を中心に累計100件超を報告した。
申込者が提案する「ジオクロス・ユビファ工法 設計・施工・管理マニュアル」に従って施工された補強地盤の、長期荷重時の鉛直荷重に対する支持能力は、同マニュアルに定めるスウェーデン式サウンディング試験結果に基づく支持力度算定式で適切に評価できるとしている。また、本技術は、規定された施工管理体制が適切に運用され、工法が適正に使われているとしている。
開発趣旨では、従来の不織布シートに較べて引張強度が高い織布シートを用いることで、シートの敷設枚数を1枚に低減し、コスト縮減を図っているとしている。
市場側の規模感では、地盤補強市場規模は2023年に約3,500億円とされ、前年比5%増となった。戸建住宅の着工戸数は2023年に約40万戸とされ、地盤補強の適用率を20%とするデータもある。住宅地盤沈下事故は2022年時点で年間約5,000件とされ、戸建住宅の地盤調査実施率は60%未満という整理もある。
外部環境では、軟弱地盤面積が全国の建築用地の25%を占め、べた基礎の支持力不足が主因とする報告がある。加えて、非杭式工法の採用率が15%向上傾向とされる。ここでは、スウェーデン式サウンディング試験がJIS A 1219に準拠した標準手法である点と、全国の試験データが1万件超蓄積されたというデータが、算定式に関する整理の補助線となる。
証明は鉛直支持力
証明の対象は鉛直支持力に限られるとされる。性能証明に用いた資料には、載荷試験結果報告書などを取りまとめた試験資料や、施工実績や運用体制の維持状況などをまとめた更新資料が含まれる。施工面では、設計フローや支持力算定式などの設計方法のほか、使用材料、施工方法及び施工管理方法をマニュアルで示すとしている。
ジオクロス・ユビファ工法は、べた基礎下の砕石層に織布(ユビファシート)を設ける構成をとり、砕石とシートの複合構造で砕石層のせん断強度を高める設計を示している。一方で、性能証明の対象が鉛直支持力に限定される点は、適用範囲の整理に直結する。さらに、申込者が提案する「設計・施工・管理マニュアル」に従って施工された補強地盤を対象に、スウェーデン式サウンディング試験結果に基づく算定式で評価できるとしており、運用はマニュアル準拠を軸に組み立てられる形になる。
