ガイアックスは、ソーシャルメディアの運用・マーケティング支援を安定収益基盤としながら、起業支援や投資育成、新規事業創出を並行して進める「スタートアップスタジオ型」の企業像を示している。足元では、ソーシャルメディアサービス事業を収益の土台に据えつつ、ショートドラマ、HR、web3/DAOといった新領域への先行投資を強めている。これにより、SNS支援で得た利益の再配分が新規領域の取り組みに波及する形となる。
ガイアックスの事業は、ソーシャルメディアサービス事業とインキュベーション事業に分かれる。ソーシャルメディアサービス事業では、SNS戦略設計、運用代行、広告、クリエイティブ、インフルエンサー施策、リサーチなどを横断的に提供し、単なる投稿代行ではなく戦略と制作の両方を押さえた統合型支援を掲げる。インキュベーション事業では、全国の自治体の起業家輩出支援やweb3/DAOコンサルティングを中心に、起業家教育、自治体向けスタートアップ支援、投資育成などを含め、受託収益と投資リターンの両方を取り込む構造としている。
支援実績1,500社超
ソーシャルメディアサービス事業は1,500社以上の支援実績を持つ。子会社CREAVEとの連携を通じてショート動画や縦型コンテンツ制作力を補完する体制も掲げ、SNS支援で稼いだ利益や投資先売却益を次の事業や投資へ再配分するモデルを示している。
CREAVE連携で制作補完
ガイアックスは、戦略設計に強い体制に加え、子会社CREAVEのクリエイターネットワークやショート動画制作ノウハウを活用できる点を挙げる。ガイアックスとCREAVEの相互補完により、SNS支援からショートドラマ制作まで横展開する体制を構築しているとしている。ショートドラマ領域では、制作受託にとどまらず自社IPの育成に踏み込む方針を示している。
運用面では、ソーシャルメディアサービス事業を収益の土台に据えつつ、ショートドラマ、HR、web3/DAOに先行投資を強める形をとっている。ショートドラマやHR領域は立ち上げフェーズにあるとし、専門人材の採用、営業・マーケティング、運用体制の整備など初期コストが先行しやすい状況を示した。一方で、ショートドラマ部門とHR領域を中心に2025年から2026年にかけて積極投資を行い、2027年に回収期へ移行する計画を説明している。
投資育成では、起業家教育や伴走支援、卒業生ネットワーク、政策トレンドへのアクセスまで含めたエコシステムを持つ点を差別化要因に挙げる。これまで投資先の卒業生の創業企業から2社(ピクスタ、Photosynth)、カーブアウト企業から2社(AppBank、アディッシュ)が株式公開したとしている。
業績面では、2025年12月期は売上高3,498百万円(前期比3.8%増)、営業利益254百万円(同31.2%減)だった。第4四半期も企業のSNSマーケティング支援が堅調に推移し、既存顧客による大型キャンペーンの受注やSNS運用代行におけるアップセルが売上の伸長を牽引した一方、ショートドラマの初期制作費や新規事業開発などの先行投資が利益を押し下げたとしている。2026年12月は売上高3,300百万円(前期比5.7%減)、営業利益250百万円(同1.9%減)を見込んでいる。
市場環境では、企業のマーケティング予算がテレビや紙中心からSNS、縦型動画、インフルエンサー施策へ移る流れが継続しているとしている。ショートドラマ市場については、同社資料で国内市場が2026年に1,500億円へ成長するとの見方を示している。
今後の焦点として、ガイアックスはショートドラマとHRを挙げる。HR領域では2025年にMatkaを子会社化し、キャリア自律と組織変革を支援するHRコンサルティングに、ガイアックスの事業家人材やエンジニアリソースを掛け合わせてAI活用型HRプロダクトの開発を進めているとしている。
