古野電気株式会社(兵庫県西宮市)は、インテックス大阪で開かれる「第7回 関西物流展(KANSAI LOGIX 2026)」に、車両入退管理サービス「FLOWVIS」を出展する。事業所や物流施設の業務車両管理を自動化・パッケージ化したサービスで、改正物流効率化法の施行を受けた現場課題への活用例も示す。
FLOWVISはETC認証と車番認証を組み合わせ、車両の検知・識別にもとづくゲート入退制御を行う。入退場管理を起点に、荷待ち・滞在時間を客観的に把握して記録する運用を提案し、荷主企業に求められる説明責任への対応や継続的な改善を、現場負荷を抑えながら進める狙いだ。展示では、新法対応やCLO(物流統括管理者)設置後に必要となる現状把握、KPI設定、中長期計画策定に向けたデータ整備も、具体的な活用例を交えて紹介する。
関西物流展は4月8日開幕
展示会は「第7回 関西物流展(KANSAI LOGIX2026)」で、日程は4月8日~10日、会場はインテックス大阪となる。古野電気のブースは5号館「D4-51」で、出展内容は「ETC活用 車両入退管理サービス『FLOWVIS』」。制度面では、4月1日に改正物流効率化法が施行され、荷待ち・荷役時間の削減や生産性向上に向けた取り組みが計画検討段階から実行フェーズへ移行している。古野電気はこの変化を踏まえ、入退場管理のデータを軸にした記録整備と活用の方向性を展示の場で示す構成とした。
FLOWVISは、入退場管理に必要な機能をソフトウェアとセットで提供する。入退車両の画像確認や検索、記録データの呼び出しを含む機能をパッケージ化し、複数の入退場口の一元管理や、ゲート以外の各種機器制御にも対応する。API提供により、受付・バース予約や倉庫管理システム、車両位置管理システムなど外部システムとの連携も想定。さらに、ゲート別通行数や入退別通行数、会社別滞在時間、滞在時間別台数などを日別・期間別で表示するグラフ化ツールを搭載し、荷待ち・荷役時間の可視化を図る。
古野電気は舶用電子機器総合メーカーとして世界100か国以上で販売体制を構築してきた。連結従業員数は3,368人、連結売上高は1,269億5300万円で、資本金は75億3400万円。今回のFLOWVIS出展は、同社が培ってきた検知・識別や電子技術を、事業所・物流施設の車両動線管理に適用する取り組みの一つとなる。
展示で扱うテーマの中心は、入退場の記録を起点に、荷待ち・滞在時間を客観的に把握して記録する運用にある。改正物流効率化法の施行を受け、荷待ち・荷役時間の削減に向けた取り組みが実行段階へ移るなか、現場での計測や記録の整備が実務上の論点となりやすい。古野電気は、CLO設置後に必要となる現状把握、KPI設定、中長期計画策定に向けたデータ整備を提示し、単発の機器導入にとどまらず、継続的な改善に必要なデータの扱い方まで含めた運用像を示す。
ゲート制御とAPI連携
運用面では、車両の検知・識別にETC認証と車番認証を用いる構成をとる。ゲート機器はバーゲートに限らず、シャッターやチェーンゲートなどにも対応し、ゲートレス運用も可能とする。車両の入退場に関する記録を残すことと、現場の入退制御を結び付ける点が特徴だ。
外部連携はFLOWVIS APIを通じて拡張する。受付・バース予約や倉庫管理システム、車両位置管理システムなどとの接続を想定し、入退場データを単体の記録にとどめず、受付やバース運用、庫内のオペレーション管理と結び付ける設計をとる。これにより、現状把握からKPI管理までを一体的に支えるデータ基盤の整備を狙う。
提供形態をパッケージ化することで、現場の運用設計をサービス側の機能に寄せやすくし、入退場の計測・記録を日常業務に組み込みやすくしている。APIを介した接続性は、受付・予約や庫内管理など複数レイヤーにまたがる物流施設のシステム構成に影響しやすく、導入時の設計自由度を高める要素ともなる。
改正物流効率化法は2026年4月1日に施行され、荷待ち・荷役時間削減や多重下請構造の是正を目的とした荷主・物流事業者向けの規制的措置を含む。これを受け、古野電気は、入退場の記録整備と活用の方向性を展示で示す構成とした。焦点は、現場で発生する車両滞在の実態を、入退場の時刻や台数といった形式で蓄積し、説明責任に対応し得る材料へ整える点に置かれる。
古野電気の技術的な来歴は、舶用分野での検知・識別技術の蓄積に根差す。同社は1948年に世界で初めて魚群探知機を実用化して以降、超音波技術と電子技術を基盤に商品を展開してきた。陸上分野への拡張では、1984年にグループ企業フルノシステムズを設立し、無線技術の取り組みは1990年代のハンディターミナルに遡る。今回のFLOWVISは、車両の検知・識別、入退制御、外部システム連携といった要素を組み合わせ、物流施設のゲート運用をデータ化する方向性を示すものとなる。
法施行で可視化需要
展示会の開催地である関西圏は、製造業の集積と港湾・空港を抱え、幹線道路網と結び付いた物流拠点が多い。こうした拠点では、車両の入退場やバース運用が複数の事業者にまたがりやすく、時間管理や記録の取り扱いが複雑化しやすい。改正物流効率化法の施行により、荷待ち・荷役時間の削減に向けた取り組みが実行段階へ移るなか、入退場の時点情報をどう蓄積し、業務改善の材料として扱うかが運用課題として浮上している。
業界内では、現場データの取得手段を増やし、周辺システムと連携させる動きが広がる。古野電気グループでも、フルノシステムズがWi-Fi製品など無線関連事業を展開しており、業務効率化に資する機器やサービスを複線化する姿勢がうかがえる。今回、FLOWVISがAPI提供を掲げ、受付・バース予約や倉庫管理システム、車両位置管理システムを連携先として例示した点は、単体最適ではなく運用全体のデータ連鎖を意識した設計方針を示すものだ。
改正物流効率化法への対応実務では、削減の取り組みに加え、現状把握やKPI設定、中長期計画策定といった管理プロセスが並行して進む。CLO設置が法制化された流れの中で、サプライチェーン全体のロジスティクス責任を担う管理的地位の者が、事業運営の意思決定に参画する枠組みが想定される。古野電気が展示で示す「入退場管理を起点にした記録整備と活用」は、現場の車両動線データを管理プロセスに接続するための材料として提示する構図となる。
同種の取り組みは、車番認証カメラやETC活用、バース予約、倉庫管理など各要素が個別導入されてきた経緯がある。FLOWVISは、ETC認証と車番認証を組み合わせた検知・識別にもとづくゲート入退制御を中核に据え、入退場データの記録と検索、グラフ表示までをパッケージ化する点が特徴となる。入退場管理から記録整備までを一体で扱う設計は、制度対応で求められる「客観的に把握して記録する」運用と整合しやすく、計測と説明の負荷を現場に過度に寄せずデータを自動的に残す仕組みづくりを意識したものといえる。
取引管理や法人営業の観点では、API連携を想定する外部システムの範囲と、入退場データの扱いが施設運営のどの業務に接続されるかが、導入時の作業分担を左右し得る。古野電気は第7回 関西物流展で、FLOWVISの活用例を交えて新法対応の記録整備を提示する方針だ。
