株式会社FUNDINNOは3月13日、2026年10月期第1四半期決算を発表した。営業収益は410百万円、営業利益は▲181百万円となった。大型案件の計上が後続四半期にシフトした影響で減収減益になった。大型案件の先送りに伴い、当期の業績の見え方や投資家との対話のあり方にも影響が及ぶ。
FUNDINNOは当第1四半期について、大型資金調達支援を担う「FUNDINNO PLUS+」で大型案件の計上が後続四半期にずれ込んだことが主因だと説明した。「FUNDINNO PLUS+」は成約時期や案件規模、手数料率などで四半期業績が変動しやすい性質がある。発行会社と投資家のニーズ、プロジェクト収益が最大化できるタイミングを踏まえて事業を進めた結果、当第1四半期は計上時期が後ろ倒しになった。今回の決算発表は、未上場株式市場でのプラットフォーム構築を進める同社にとって、四半期ごとの変動要因を含めた進捗の説明という位置づけになる。
営業収益410百万円
当第1四半期の営業収益は410百万円で、前年同四半期比では▲169百万円となった。営業利益は▲181百万円で、前年同四半期比▲208百万円だった。
FUNDINNOは減収減益の要因を、大型案件の計上が後続四半期へシフトした点に置いた。
同社は「FUNDINNO PLUS+」の特性として、成約時期、案件規模、手数料率などにより四半期業績が振れやすいとする。
発行会社と投資家のニーズに加え、プロジェクト収益が最大化できるタイミングを見極めながら案件を進める運用のため、特定四半期に計上が集中しない局面が生じ得ると位置づけた。
大型案件が後続へ
FUNDINNOは、当第1四半期の減収減益を「大型案件の計上が後続四半期にシフトした影響」と説明した。
四半期単位での計上時期の変動が、業績の見え方を左右する構造が改めて示された形だ。大型資金調達支援に特化した「FUNDINNO PLUS+」の運営上、発行会社側の資金調達の実行時期と、投資家側の投資判断のタイミングの双方を踏まえる必要があるという。
一方で同社は、成長戦略に掲げる取り組みで「投資ポテンシャルの拡大」や「取扱商品の拡充」に当初想定を上回る進展があったとも述べた。未上場株式市場におけるプラットフォーム構築の成果は着実に出ているとし、通期業績予想達成に向けたKPIも堅調に推移しているとした。
岡三証券と連携強化
FUNDINNOは3月26日、岡三証券株式会社との資本業務提携における連携を一段と強化することで合意し、覚書を締結した。
両社は2022年3月の資本業務提携以来、国内未上場企業への資金供給の円滑化に向けて協業を進めてきた。FUNDINNOは、昨今の市場環境の変化に迅速に対応するため、従来の協業体制を抜本的に強化する方針を示した。
今回の強化で柱に据えるのは、岡三証券のプライベートバンキング部の顧客に対し、特定投資家向け銘柄制度(J-Ships)などを活用して、大型資金調達に特化した「FUNDINNO PLUS+」と「FUNDINNO MARKET PLUS+」を紹介する枠組みの構築である。
加えて、岡三証券の法人顧客ネットワークを起点に成長性の高い未上場企業の紹介を受け、FUNDINNO側で案件化する連携も、将来的に強化するとした。FUNDINNOは、金融ライセンス取得による参入障壁と、既存金融機関との協業による拡張性を併せ持つ点を自社のポジションとして挙げ、25年10月期の黒字化達成を経て、証券会社との連携で成長にレバレッジをかける考えを示した。
法人投資家の参画拡大
FUNDINNOは、同社サービスを活用した法人側の動きとして、Zenken株式会社が株式会社グラフィックホールディングスへの出資を決定し、資本業務提携を締結した事例を挙げた。
FUNDINNOは、市場環境の変化に伴い、オープンイノベーションの加速や事業シナジーの創出を目的とした「法人とスタートアップによる資本業務提携」のニーズが急速に高まっていると説明する。本件は、スタートアップの技術やサービスと、法人の経営資源を結び付ける「共創のプラットフォーム」としての機能が表れた事例だと位置づけた。
同社はまた、中期的な成長戦略に掲げるGMV(同社プラットフォームを通じた取引の総和)拡大の観点からも、投資規模の大きな法人投資家がサービスを活用することで加速が見込まれるとした。
法人投資家に対しては「効率的な案件ソーシング」「デューデリジェンスの補完」「未上場株エコシステムへの参画」といった価値の提供を掲げ、スタートアップ側には多様な資金調達の選択肢を、法人側には投資・提携機会を提供する狙いを示した。
今後は、大型案件の計上時期による四半期の変動が続くなかで、岡三証券との枠組み構築や、法人投資家の参画拡大が「FUNDINNO PLUS+」を含む取り組みの運用体制にどう接続されるかが注目点になる。
今回の動きは、未上場株式の資金供給と投資機会の仲介をめぐり、個人中心から法人も交えた連携に軸足を広げる流れの一部に位置づく。
