株式会社FUNDINNO(東京都港区)は、岡三証券株式会社との資本業務提携の連携を一段と強化することで合意し、未上場企業への資金供給支援と投資家への新たな投資機会の提供を促進する覚書を3月26日に締結した。岡三証券のプライベートバンキング(PB)部とも連携し、未上場株式へのアクセス機会を広げる枠組みを整える。
両社は「FUNDINNO PLUS+」を通じ、岡三証券PB部の顧客に対して大型資金調達に特化した仕組みを紹介する。あわせて「FUNDINNO MARKET PLUS+」も対象に含め、未上場企業への投資機会の案内につなげる。株式会社FUNDINNOにとっては、未上場企業への資金供給支援の取り組みを広げる施策となる。
協業体制を抜本強化
両社の資本業務提携は2022年3月に始まり、相互の知見やネットワークを生かして国内未上場企業への資金供給の円滑化に向けた協業を進めてきた。今回、新たな覚書で協業体制を抜本的に強化し、岡三証券側はPB部を通じた連携を打ち出す。個人資産家層の顧客基盤と未上場投資の枠組みを接続することで、未上場株式へのアクセスチャネルを拡充する狙いがある。
株式会社FUNDINNOは第一種金融商品取引業者(関東財務局長(金商)第2957号)で、日本証券業協会に加入している。個人が未上場株式市場にアクセスできる仕組みを提供し、資金調達支援や株主管理SaaSを通じて成長支援を行う。取り扱うサービス群には「FUNDINNO」「FUNDINNO PLUS+」「FUNDINNO MARKET」「FUNDINNO MARKET PLUS+」などがあり、今回の覚書は、既存の資本業務提携を土台にPB部門や法人顧客ネットワークとの接点を広げる取り組みとなる。
外部環境としては、政府が2022年に策定した「スタートアップ育成5か年計画」で、スタートアップへの資金供給の拡大や多様化が掲げられている。未上場企業の資金調達ニーズは大規模化・多様化が進んでおり、制度面では特定投資家向け銘柄制度のJ-Shipsの活用拡大も論点となる。2024年には、未上場企業の上場準備投資に関する件数が前年比20%増とされ、成長企業へのリスクマネー供給を巡る枠組み整備が加速している。
市場データでは、金融庁の報告で、2024年の国内エクイティクラウドファンディングの調達総額が約500億円と、前年比1.5倍に拡大した。個人投資家の参加が増え、未上場株式の投資機会を巡る商品設計や紹介スキームの多様化が進展している。証券会社と未上場投資プラットフォームの連携も他社で広がりつつあり、今回の覚書は、PB部門の顧客接点を用いた案内と、法人ネットワークを介した案件発掘を同時に強化する点に特色がある。
PB顧客へ2サービス紹介
具体策として、岡三証券PB部の顧客に対し、「FUNDINNO PLUS+」と「FUNDINNO MARKET PLUS+」を紹介する枠組みを構築する。各種制度の活用を織り込みつつ、両サービスを一体的に扱うことで、大型の資金調達案件に特化した枠組みの紹介と、未上場企業への投資機会の案内を並行して進める設計とする。
もう一つの柱として、ソーシング(案件発掘)での連携を据える。将来的に、岡三証券の法人顧客ネットワークから成長性の高い未上場企業の紹介を受け、株式会社FUNDINNOが案件化を行う取り組みを強化する方向だ。PB部の顧客向けの案内と法人ネットワークを通じた案件の流入を接続し、未上場企業側の資金需要と投資家側の投資機会を結び付けることで、協業の裾野を広げる。
今後は、岡三証券PB部の顧客向けの紹介枠組みをどの範囲で運用し、「FUNDINNO PLUS+」および「FUNDINNO MARKET PLUS+」の活用をどのようなスケジュールで展開するかが焦点となる。
