プライバシーテック協会(会長 高橋亮祐、名古屋市)は2026年1月20日、東京都千代田区のJPタワー ホール&カンファレンスで「データ共創会議2026」を開く。有識者約18名が登壇し、AI活用と機密データ保護をめぐる産官学連携の方向性について討議する。
同協会は、AI社会におけるデータ利活用の推進と安全性確保を両立させる議論を目的としており、今回の会議を業界横断的な共創の場と位置づける。富士通、さくらインターネット、日本製薬工業協会、東京大学、個人情報保護委員会などの登壇者が参加し、技術・法制度・医療分野の連携課題を議論する予定だ。
富士通などから18名参加
登壇するのは、富士通株式会社先端技術開発本部エグゼクティブディレクター吉田利雄氏(次世代プロセッサ「FUJITSU-MONAKA」開発責任者)や、さくらインターネット株式会社執行役員CISO江草陽太氏ら計18名(予定)。弁護士、大学教授、政府関係者など、多様な分野の専門家が登壇する。
当日は「国産LLMは実現するのか」「データ関連法の現在地」「日本版EHDSの可能性」「国産インフラの意義」など4テーマで議論を予定している。
オフライン定員は200名、オンラインは300名で、申し込みは前日まで受け付ける。
AIと法制度の分野横断議論
日本ではAI導入時に機密情報の取り扱いがネックとなるケースが多く、企業がリスクを回避する傾向が強い。
協会は「機密データを守る責任」と「データを活用したい期待」の両立こそが課題だと指摘する。
会議では、省庁や研究機関の委員を務める登壇者が、データ法制や医療分野の共有基盤整備について見解を共有する。
医療情報の専門家として一般財団法人医療情報システム開発センター理事長の山本隆一氏、法制度面から京都大学大学院法学研究科教授の稲谷龍彦氏が参加。
政策と現場をつなぐ制度設計を議題に加えるほか、企業側からはAI開発を担うスタートアップ代表らが現場の課題を提示する。
設立3年の協会、21社が参加
プライバシーテック協会は2022年8月に設立され、プライバシー保護技術(秘密計算や匿名化技術など)の社会実装を掲げる団体だ。現在、Acompany、EAGLYS、LayerXの3社が中核を担い、15社の賛助会員と2社・団体の特別会員で構成される。活動は、技術や法制度に関する政策提言、実証実験、啓発イベントなどに及ぶ。
今回の会議はその取り組みの一環で、業界だけでなく行政・学術機関の連携強化を目的にしている。
欧米ではAI開発でデータ共有インフラが進展する一方、日本は個人情報保護への慎重姿勢が開発速度に影響しているとの指摘もある。
協会は「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を掲げる政府方針に沿い、法制度設計と企業実務の橋渡しを目指す。
専門家の間では、生成AI時代におけるプライバシー対応の在り方や、国産技術・インフラ投資の必要性が主要な論点となると予想されている。
今回の会議は、データ利活用と情報保護を両立させる制度整備に向けた実務的議論の場となる。