富士ソフト株式会社は、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)ホワイト500」に認定された。あわせて、スポーツ庁から「スポーツエールカンパニー2026」に認定された。社員の健康増進施策を継続してきた点が評価され、働き方の持続性と生産性向上に関わる取り組みとして浮き彫りになった。
富士ソフトは、社員一人ひとりの心身の健康を経営の基盤と捉え、健康課題を個人任せにしない運用を進めてきた。健康施策を経営課題として可視化し、議論と改善につなげる仕組みを構築している。スポーツエールカンパニーでは、運動習慣づくりに取り組む方針を掲げる。これらは同社の健康経営の取り組みの一環となる。
5年連続の認定
富士ソフトは今回、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)ホワイト500」に認定された。さらに、スポーツ庁による「スポーツエールカンパニー2026」にも認定された。ホワイト500は健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門の上位枠に位置づけられる。スポーツエールカンパニーは、運動不足という国民的課題に対し、企業が果たす役割に着目した認定制度だ。両制度はいずれも国の関係機関が関与する枠組みで、企業の健康増進施策や運動習慣づくりが評価対象となっている。
認定の継続性も示された。富士ソフトはホワイト500に5年連続で認定され、スポーツエールカンパニーは2年連続の認定となった。人材の定着や生産性の確保といった経営テーマに関わる取り組みとして健康経営を推進してきた。
事業規模の面では、富士ソフトの従業員数は9,806名となる。売上高は317,482百万円、経常利益は21,817百万円で、直近事業年度の実績を開示している。大規模な人員を抱えるソフトウエア開発・システム関連の企業において、健康施策をグループ横断で運用する体制の整備が、今回の認定の前提となった。
複数施策の併用
富士ソフトは2014年に健康管理センターを設置し、グループ全体の健康管理体制を一元化した。健康施策を経営課題として可視化し、議論し、改善する仕組みを構築してきた。施策としては、心身の不調を早期にケアする「ヘルスケア休暇」や「ライフサポート休暇・休業」、定期的なパルスサーベイによる個人・組織の状態把握と職場環境改善、健診後フォローの強化、健康リテラシー向上施策などを挙げる。メンタルヘルス課題を経営会議で継続議題として扱う運用も続けている。
運動面では、全社員参加型のウォーキングイベント「富士ソフトウォーク」や、健康情報を定期的に発信する「健康だより」などを通じ、無理なく健康行動を促す環境づくりに取り組んでいる。制度運用の観点では、健康管理センターによるグループ全体の健康管理体制の一元化が焦点となる。休暇制度やパルスサーベイ、健診後フォローなど複数施策を併用する形をとっており、認定はこうした取り組みの積み上げに基づくものとなる。
健康経営の制度面では、健康経営銘柄が2014年度に開始され、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定してきた経緯がある。健康経営銘柄2026は第12回にあたり、累計の選定社数は167社に達した。健康経営優良法人認定制度は、経済産業省と日本健康会議が共同で実施している。スポーツエールカンパニーはスポーツ庁が実施し、2026年も認定が行われた。
IT・システム関連企業でも、健康経営の制度に沿った取り組みを継続する例が広がっている。東京センチュリーは「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)ホワイト500」に9年連続で認定され、健康経営銘柄2026に5年連続で選定された。社内施策としてストレスチェック受検率100%(4期連続)や定期健康診断受診率100%などの実績を示し、取引先への健康経営支援を掲げる動きもみられる。富士ソフトは、独立系SIerとして通信・社会インフラ系ソフトウエア開発を手掛ける企業で、SES業界大手ランキングでは売上高3,174億円で1位とされる。
富士ソフトは、スポーツエールカンパニーで運動習慣づくりに取り組む方針を掲げる。複数の休暇制度、パルスサーベイ、健診後フォロー、健康情報の発信、ウォーキングイベントを組み合わせ、健康管理センターがグループ全体の健康管理体制を一元化する形をとっている。人事・労務管理の観点では、グループ横断の運用主体が健康管理センターとなる点や、パルスサーベイなど定期的な把握手段を組み込む点が、社内制度の運用設計と接続する論点となる。今回のホワイト500・スポーツエール認定取得は、富士ソフトが健康経営を中長期的に継続してきた流れの中で、その成果が具体的な評価として示された動きといえる。
